完結30周年を迎えた不朽の名作『あいつとララバイ』(楠みちはる)。その作中で登場するオートバイを紹介していきます。
 
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第9回/キングのスズキ「GSX750S」

「無敗の街道レーサー」首都高速のキングのマシンは初期型の750カタナ。

「国内は750㏄まで」という当時の自主規制に従い、スズキは当初からGSX1100Sカタナを750㏄にスケールダウンして82年に国内販売を予定していた。GSX750EをベースとするDOHC4気筒のシリンダーヘッドはアルミ合金製だ。

画像: スズキGSX750S 750カタナはデビュー年の11月にスクリーンが認可され、写真は翌83年のマイナーチェンジで前後タイヤを19/18インチから16/17インチに換装したS2型。不評だったアップハンドルは変更され、圧縮比やバルブタイミングの見直しで72馬力までパワーアップ。

スズキGSX750S
750カタナはデビュー年の11月にスクリーンが認可され、写真は翌83年のマイナーチェンジで前後タイヤを19/18インチから16/17インチに換装したS2型。不評だったアップハンドルは変更され、圧縮比やバルブタイミングの見直しで72馬力までパワーアップ。

キングのGSX750Sは派手なカスタムは施されていないが、定番のセパレートハンドルに加え、4in1のフルエキゾーストに交換。

ノーマルの初期型ではフロントにANDF(アンチ・ノーズ・ダイブ・フォーク)が装着されているが、キングの750カタナはダブルディスクのブレーキごとフロントフォークを換装している。

画像: 第9回/キングのスズキ「GSX750S」

このマシンはボンバーの杉本鉄彦が仕上げたマシンで「みかけはノーマル」だが「今まで組んだマシンじゃ一番」という「走る芸術品」(杉本談)であった。キングは杉本から離れた7年もの間、カタナの調子を落とすことなくパフォーマンスを維持し続けた。

(次回は皆川るみ子のホンダCBX400Fを解説します。お楽しみに!)

過去の回はこちらからご覧いただけます。

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