まさか、まさか? と思う様なシチュエーションでもモノともせず突き進む、頼り甲斐あるタフネス仕様はクラス随一! チャレンジングな道を、ついつい選びたくなってしまう……。
「今日と同じ道を往きたくない、明日は明日の道を往きたい」そんな気持ちにさせてくれるはずだ!
街から山へ、道中が快適でなくては!
無骨なヘッドライトガードに、大型リアキャリア、そしてマッドガードなどにより、シティユースに留めておくにはもったいない実用性の高い装備がさり気なくセットされているクロスカブ110。
しかもそれらは、ただの飾りではなく機能性に富んだ造りだからこそ、ある意味本格的なお洒落にもなるというもの。
もちろん、ファッションという括りだけでクロスカブを評価するのも、現実的には「アリ」かもしれないが、街を抜け未踏の地を往くためのタクティカル要素を備えているので、取り回しの良いアドベンチャーモデル的な使い方だってできるパフォーマンスを秘めているのだ。
トルクフルで粘り強いエンジンは、変化の激しい道路状況に左右されず安定した走行を可能とする。それは、舗装路に限らず、砂利道であろうが轍のある林道であろうが、おかまいなしといった印象で、それこそトレールモデルといって良いほどのタフネスさなのだ。
ちなみに、そもそも、クロスカブの出生のルーツはトレールモデルなので、当然といえば当然のポテンシャルとも言えよう。
大幅なストローク量を確保したフロントフォークやリアショックは、“カブ”とはいえ、ビジネスバイクとは一線を画す運動性能を発揮するもので、行動範囲が一気に広げることが可能。
また、17インチのフロントホイールを採用することで、キビキビと節度あるハンドリングと、幹線道路の流れに乗るような走行においても、ドッシリと落ち着いた安定性を生む。
交通量が多い街中の区間ですら快適に過ごすことが可能なので、ついアドベンチャー心を掻き立てられて遠出したくなってしまう。
カブ系独特の乗車ポジションにプラスしてアップライトなハンドルを装備することで、体格に左右されない自由度が高いライディングポジションを実現。
この効果で極低速での取りまわしや悪路での体裁きなど、驚くほど軽やかに出来てしまう。また、ロードクリアランスが大きいため、多少の障害物があったとしても、クリア出来てしまう走破力と器用さは期待に応えてくれるものだった。
文:山口銀次郎/写真:柴田直行/モデル:岩瀬孝昌