BMW、DUCATI、KTMを代表する3台のフラッグシップADVマシン達…。高速道路や一般道、林道など、あらゆる道を走ることで見えてきたひとつの答え。「旅性能」におけるキング•オブ•アドベンチャーは、一体どれだ?

すべての道を制覇するハイテクアドベンチャー

DUCATI MULTISTRADA 1260 ENDURO

画像: 「最新のテクノロジーを集約したムルチのエンデューロ仕様」

「最新のテクノロジーを集約したムルチのエンデューロ仕様」

ドゥカティが最初のムルティストラーダを発売したのは2003年だった。992ccの空冷L型デュアルスパークエンジンを搭載し、独創的だった999を手がけたピエール・テルブランチによる、ハーフカウルの上段がハンドル操作に合わせて動く2段式の独特なスタイル。

前後17インチホイールを履いた走りは、いわゆるアドベンチャーバイクではなく、楽な姿勢で乗れるオンロードスポーツツアラー的なものだった。

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大きく変化したのは2010年に発売されたムルティストラーダ1200からだ。強力な水冷4バルブLツイン1098ccのテスタストレッタ11エンジンに変更。スロットルバイワイヤや電子制御サスペンション、トラクションコントロールなど、エレクトロニックコントロール技術を導入。

コンセプトとして、スポーツ/ツーリング/アーバン/エンデューロと4つの機種を一つにした”4Bikes in1”を掲げた。

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ずっと前後17インチホイールだったムルティストラーダの歴史の中で最大の変化が、フロントに19インチホイールを採用した1200エンデューロが2016年に登場したことだ。

理由はもっとオフロードでの走破性を上げるためだ。他とは少し異なる独自の考えでやってきたドゥカティが初めてアドベンチャーカテゴリーに正面から挑んだ。自らがそれを否定したとしても、マーケット的に同じ土俵にあがったのは確かだ。

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そして、そこからさらにグレードアップした新型が、このムルティストラーダ1260エンデューロである。エンジンはより排気量を上げたテスタストレッタDVTに。

DVTとは、デスモドロミックの可変バルブタイミング機構のこと。1200時代から変わらない30ℓと大容量の燃料タンクは、下げられたハンドルに合わせ上面を変更している。

セミアクティブサスペンションのDSSが再プログラミングされたことによる違いは、まずオンロードのワインディングで感じた。ライディングモードを『スポーツ』に入れると、よりロードモデルに近づいたようでタイムラグが小さい俊敏さがあった。

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同じ場所で『ツーリング』にして同じように駆けると、速度が高くなるにつれもっと足の動きを抑えたい気持ちが強まっている。

簡単に変更できるモードを今度は『エンデューロ』にしてダートに入ると、前後の足が奥まで入って動いているのが分かる。ゆっくりとした低速でも柔らかく節度があり、路面が少々荒れていても気にならない。

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1260になっていろいろな部分が変わり進化したと実感できたが、その主役となっているのはエンジンだろう。2千回転以下の低回転域でも使え、ちゃんとトルクがありながら、スムーズさに拍車がかかった。

各モード、各走行シチュエーションでの違いにメリハリが出て、”4 Bikes in 1”コンセプトが深まった。ムルティストラーダとは英語でマルチロードの意。その名に負けていない、ライバルにも負けていない、デュアルパーパスツーリングモデル。そう立派なアドベンチャーに昇華した。

文:濱矢文夫、編集部/写真:柴田直行

DUCATI MULTISTRADA 1260 ENDURO <Styling>

画像: ※写真の車両はオプション装着車です。<装着内容>エンデューロ・パック 17万278円(スチールパイプ製タンクサイドプロテクション、ラジエーター用プロテクショングリッド 、オイルクーラー用プロテクショングリッド、リアブレーキディスク・プロテクション 、 ランプマウントブラケット 、ロアチェーン・プロテクション 、補助LEDライトセット )、アルミニウム製サイドパニアケース 30万7217円(税込)

※写真の車両はオプション装着車です。<装着内容>エンデューロ・パック 17万278円(スチールパイプ製タンクサイドプロテクション、ラジエーター用プロテクショングリッド 、オイルクーラー用プロテクショングリッド、リアブレーキディスク・プロテクション 、 ランプマウントブラケット 、ロアチェーン・プロテクション 、補助LEDライトセット )、アルミニウム製サイドパニアケース 30万7217円(税込)

画像: DUCATI MULTISTRADA 1260 ENDURO <Styling>

SPECIFICATIONS
エンジン:水冷4ストDOHC4バルブL型2気筒
ボア×ストローク:106×71.5mm
総排気量:1262cc
燃料供給装置:フューエルインジェクション
最高出力:158PS/9500rpm
最大トルク:13.0kgf-m/7500rpm
全長×全幅×全高:NA×NA×NAmm
ホイールベース:1592mm
シート高:860mm
タイヤ前•後:120/70-19•170/60-17
始動方式:セルモーター
変速機:6段リターン
車両重量:254kg
燃料タンク容量:30ℓ
価格:288万円〜(10%税込)

MACHINE DETAIL

画像: 大型化されて高速走行時の防風効果を高めたスクリーンは、手動で高さを調整することが可能。アッパーカウルのアルミサイドパネルや長くなったフロントノーズはエンデューロだけの特徴。

大型化されて高速走行時の防風効果を高めたスクリーンは、手動で高さを調整することが可能。アッパーカウルのアルミサイドパネルや長くなったフロントノーズはエンデューロだけの特徴。

画像: 排気量アップにDVTを組み合わせ、3500rpmで最大トルクの85%を発揮するという低回転から力強いパワー特性を備えた、ムルティストラーダ1260シリーズ共通のテスタストレッタDVTエンジン。

排気量アップにDVTを組み合わせ、3500rpmで最大トルクの85%を発揮するという低回転から力強いパワー特性を備えた、ムルティストラーダ1260シリーズ共通のテスタストレッタDVTエンジン。

画像: スイッチボックスにはウインカーやホーンボタンなどに加えて、スポーツ・ツーリング・アーバン・エンデューロのモード切替やDSS EVOなど各種機能の設定、操作を行うためのスイッチ類が装備。

スイッチボックスにはウインカーやホーンボタンなどに加えて、スポーツ・ツーリング・アーバン・エンデューロのモード切替やDSS EVOなど各種機能の設定、操作を行うためのスイッチ類が装備。

画像: 前後のサスペンションはそれぞれストローク量185㎜、アップグレードされたセミアクティブサスのスカイフックEvoが、オンでもオフでも最適なセッティングをもたらす。

前後のサスペンションはそれぞれストローク量185㎜、アップグレードされたセミアクティブサスのスカイフックEvoが、オンでもオフでも最適なセッティングをもたらす。

画像: 独特な形状のサイレンサーは1200エンデューロのものとよく似ているが、内部構造や細かなデザインを変更。リアブレーキはブレンボ製。

独特な形状のサイレンサーは1200エンデューロのものとよく似ているが、内部構造や細かなデザインを変更。リアブレーキはブレンボ製。

画像: リアキャリアはタンデムグリップを一体にしたデザインだが、キャリアとしてのサイズは非常に小さい。パニアケース装着のためには、写真にも写っている装着用のサポートが必要。

リアキャリアはタンデムグリップを一体にしたデザインだが、キャリアとしてのサイズは非常に小さい。パニアケース装着のためには、写真にも写っている装着用のサポートが必要。

画像: 明るい昼間でも優れた視認性を確保した高解像度のTFTカラー液晶メーターパネル。

明るい昼間でも優れた視認性を確保した高解像度のTFTカラー液晶メーターパネル。

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