ヤマハTZRでなくスズキ車を流用ベースに選択
「このヤマハRZ250は前後17インチ化を図った流用カスタムですが、国内で定番となっている同じヤマハのTZR250用パーツではなく、他メーカーとなる、スズキRGV250Γのパーツを使っているのが特徴です。海外ではTZRよりもこの手法の方がポピュラーなんですよ」
クオリティーワークスによる説明を受けて改めてこの車両を見ていくと、確かに全体の雰囲気はTZR流用とは異なる。TZR(同じくヤマハのFZR400も同様)は、こと国内では流通量の多さやRZと同メーカー製である点から、RZの17インチカスタムに多用されてきた。
それが海外だと、スズキRGV(VJ21/22)の方が圧倒的に個体数も多くなる。流用を行う際にはそうした、手に入りやすさもポイントになるから、それは自然なことと言える。
パーツが決まればその後の作業は同店にとってはこれもまた自然なことで、ステムの打ち替えやリヤのカンチレバー→リンク式サスペンション化のためのフレーム側へのアッパーショックマウント新設という流れ。
エンジンまわりは、こちらはRZでは世界的に定番と言える350化が行われる。ピストンはTKRJ製の新品を使い、クランクはフルオーバーホール・再組み立てした上で芯出しとピン溶接。吹け上がりが良くなりバランスも取れているから、パワーも出る上に以後の心配も減らせる。
クランクまわり、いわゆる腰下がきちんとしていれば、定期点検での延命(クオリティーワークスでは新車から1万kmでのピストン/ベアリング確認、その後距離に応じて腰下も確認・整備を推奨)もより効果あるものとなるのだ。
4ストロークのビッグバイクに比べれば車体まわりパーツ選択肢は少ないと言える2ストロークカスタムの世界だが、このように流用という手法に目を付ければ、個性も性能も高めることができる。どう選ぶかで、変えられるのだ。
Detailed Description 詳細説明
エンジンはRZ350に換装するが、TKRJピストンを使い、クランクはフルオーバーホールの上で芯出しとクランクピン溶接を行う。
ストレート角型のアルミスイングアームはVJ21('88~'89年型RGV250Γ)で、エンド部にはレーシングスタンドフックも追加された。3.00-17/4.50-17サイズの前後ホイールは'90~'94年型VJ22と、ここもRGV250Γ用。タイヤはダンロップα-14で、110/70R17・150/60R17サイズを履く。