発売から少し時間は経過したけれど、まだまだ現役バリバリのモデルにあらためてスポットを当てる「現行車再検証」。今回は、時代の波に翻弄されがちなクルーザーカテゴリー、ヤマハBOLT。
時代はきっとめぐる。BOLTがSRになる可能性だって十分、ある。
(※月刊オートバイ2018年5月号より)
ジャパニーズアメリカンのブームは再び訪れるのか?
発売から時間が経ったことで、なかなかスポットが当たらなくなってしまったモデル。そんな隠れ人気モデルをもう一度味わい尽くすのが、この「現行車再検証」。今回は、時代は巡る、ジャパニーズアメリカンだ。
かつては「国産アメリカン」なんて呼ばれていたクルーザーカテゴリー。少しだけ歴史を紐解くと、ここまで2度、クルーザーに大きな盛り上がりがあった。
最初は1970年代はじめ。映画『イージーライダー』で、ピーター・フォンダとデニス・ホッパーが走らせたハーレーに熱を上げたのか、日本にも「チョッパーブーム」が発生したのだ。
当時まだ日本には少なかったハーレーはもちろん、国産モデルにも大アップハンドルを取り付けたカスタムチョッパーが増殖。ついにはメーカーもこの流れを無視できなくなったか、ナナハンからヨンヒャク、果ては50㏄まで「チョッパースタイル」モデルがラインアップされた。
ホンダは「カスタム」、ヤマハは「スペシャル」、スズキは「トラディショナル」、カワサキは「LTD」というネーミングで、国産アメリカンはひとつのカテゴリーにまで成長するのだ。
2度目は1990年ごろ。ちょうどレーサーレプリカブーム終焉とネイキッドブーム発生の頃、スティードをはじめ、ビラーゴやドラッグスター、イントルーダー、バルカンが次々に発売され、カスタムパーツもどんどん生まれたことで、これもブームと呼べるほどの人気になったのだ。
時代は繰り返す――ちょうど2度目のクルーザーブームが下火になった頃、まったく新しいクルーザーとして投入したのが、BOLTだ。クルーザーカスタムの中でも先進的でムーブメントになっていた「ボバー」をキーワードに誕生。
ヤマハはもう一度クルーザーの魅力を問うことになる。日本のライダーの嗜好の変化に合わせてか、再び「のんびりゆったりライディング」をアピールしてきたのだ。
久しぶりに乗るクルーザー、実に雰囲気がイイ。いま、ライダーの平均年齢は40歳台中盤とも50歳とも言われているけれど、その層にドンピシャな魅力がある。そういえば、筆者は52歳。あれれ、ドンピシャだ。
ヤマハ BOLT の特徴を解説
YAMAHA BOLT 主なスペックと価格
全長×全幅×全高 | 2290×830×1120mm |
ホイールベース | 1570mm |
最低地上高 | 130mm |
シート高 | 690mm |
車両重量 | 252kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC4バルブV型2気筒 |
総排気量 | 941cc |
ボア×ストローク | 85.0×83.0mm |
圧縮比 | 9.0 |
最高出力 | 40kW(54PS)/5500rpm |
最大トルク | 80N・m(8.2kgf・m)/3000rpm |
燃料タンク容量 | 13L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 29.00゜ |
トレール量 | 130mm |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-19M/C 57H・150/80B16M/C 71H |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格(消費税10%込) | 97万9000円(Rスペックは102万5200円) |
2020年1月現在のバリエーション
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文:中村浩史/写真:島村栄二
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