伊藤真一さんが東京モーターショー2019の会場で「すぐにでも乗りたい!」と思ったホンダ車を1台ずつ紹介します! 今回はこのとき日本初公開された新型アフリカツイン・シリーズです。
まとめ:宮﨑健太郎/写真:松川 忍

伊藤真一(いとうしんいち)

1966年、宮城県生まれ。88年ジュニアから国際A級に昇格と同時にHRCワークスチームに抜擢される。以降、WGP500クラスの参戦や、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。

2019年に行なわれた鈴鹿8耐では「Honda Dream RT 桜井ホンダ」チームで見事10位を獲得!

画像: 伊藤真一さんは新型アフリカツイン・シリーズをどう見たか?【ロングラン研究所スペシャル】

良くできた従来型アフリカツインを新型はいかに超えたか!?

宮城県で生まれ育った自分が、初めて東京モーターショーに行ったのは、ホンダに入ってからのことなので1980年代後半でしたね。今年はホンダが初めてマン島TTに参戦してから60周年に当たることもあり、ホンダの2&4輪のモータースポーツ史の特別展示もあり、興味深く見させていただきました。

個人的には、フレディ・スペンサーが250、500㏄ダブルタイトルを獲得した1985年のホンダNSR500が一番カッコ良く見えましたね。自分が一番、GPに憧れていた時代のマシンでもありますし…。

画像: CRF1100L Africa Twin

CRF1100L Africa Twin

市販予定・参考出品車の展示のなかで一番気になったのは新型アフリカツインでした。従来型もとても気に入っているモデルなので、「どの辺りが改良させたのか?」を中心に観察しましたね。

まずスタンダード車に跨らせていただいて、最初に思ったのは足着きがすごく良くなったことでした。これは販売されるものと同じシートとのことですが、このシートのままさらに一段下げると20ミリもシート高を下げることができて、用意されているローシートを装着するとさらに25ミリも下がるそうです。

この跨っている状態から、45ミリも下がるわけですから、今まで足着きに不安があって敬遠していた人たちも、新型ならば乗れるかも…と思うのではないでしょうか?

スタンダードもアドベンチャースポーツも、フロントホイールは従来型と変わらずに21インチを採用しており、この辺りはオフロードの走破性を大型アドベンチャーでも重視しているホンダらしさを感じました。

アドベンチャースポーツはチューブレスタイヤになってますが、この構造はホイール剛性が上がるので21インチでも全くヨレを感じないかもしれないですね。実際に走らせてみて、チューブタイプのホイールと比較してどれだけ走りが変わるのか、チェックしてみたいと思いました。

画像: ラジエターの配置に変更ないものの、排気量アップによってラジエターのサイズが変わったところに、まず伊藤さんは目がいった様子でした。

ラジエターの配置に変更ないものの、排気量アップによってラジエターのサイズが変わったところに、まず伊藤さんは目がいった様子でした。

オンロードのツーリングをメインにするなら「アドベンチャースポーツ」をチョイスしたくなる

画像: CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES(オプション装着車)

CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES(オプション装着車)

電子制御サスペンションを装備したアドベンチャースポーツESは、1人乗り、2人乗り、荷物フル積載、そして2人乗り荷物フル積載と、状況に応じてプリロードを含め最適な車体姿勢を保てるとのことなので、この辺りも試乗してその実力を試してみたいです。

まさにホンダのオフロードのフラッグシップと呼ぶにふさわしい仕上がりの新型ですが、自分はオンロードのツーリングがメインの使い方になるので、スタンダードよりもアドベンチャースポーツの方が気に入りましたね。高価ですが、値段分の内容の濃さはあると思います。

画像: 「デジタルメーターの表示や機能切り替えは、自分が乗るレース用のCBR1000RRのものと大体一緒ですね」と伊藤さん。その情報量の多さを、高く評価しました。

「デジタルメーターの表示や機能切り替えは、自分が乗るレース用のCBR1000RRのものと大体一緒ですね」と伊藤さん。その情報量の多さを、高く評価しました。

画像: アドベンチャースポーツはチューブレスリムを採用。「この方式ですとホイールの剛性が上がりますから、ハンドリングにどう影響するか、早く確認したいですね」

アドベンチャースポーツはチューブレスリムを採用。「この方式ですとホイールの剛性が上がりますから、ハンドリングにどう影響するか、早く確認したいですね」

まとめ:宮﨑健太郎/写真:松川 忍

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