荷掛フックが備わっているけど、意外と使いにくい?
ホンダCB1100EX、かっこいいですよね。赤の色味とフランジレスタンクが美しすぎて、借り物のバイクなのについニヤニヤしてしまいます。
こういった昔ながらのテイストを残しているバイクは荷物がよく似合うというのが僕の持論です。
EX専用のワディングシートも美しい。リアシートがフラットなのが嬉しいですね。幅も充分で荷物を積んでくれ! と言わんばかりの形状です。
実際に、ホンダもユーザーが荷物を積むことを想定し造ってくれています。
ほら、荷掛箇所がちゃんと備わっています!
リアシート周りに前後2カ所ずつ、この突起があります。標準装備です。
ちなみにこの突起は、CB1100RSにもCB1100にも標準装備されています。
2010年に発売されたCB1100の初期型から、装備されていた伝統の荷掛フックといえそうです。
でもじつは僕、この荷掛箇所に関しては、以前からずっと否定的でした。
いったい何を積むことを想定して、この形状になったのか、と。
まずはストレッチコードでバッグをパッキング
ストレッチコードの場合、1本ならちゃんと引っかけられます。
だけど2本かけたいと思うと、ちょっときつい。
長さが足りないというよりも、「返し」部分が小さくて不安になるんです。これは1本しか引っかけていないときでも思うこと。
もう少し返し部分の高さがあれば、外れる心配がなさそうなのですが……。
でもまあ、ストレッチコード2本を使用したパッキングならこの突起を活用してもできます。
続いて、ロックストラップを使ってみます。
この場合は、荷掛フックの長さがやや短く、簡単に外れてしまいそうです。
ループの部分を直接引っかける使い方ならいけますが、この使い方はテンションがかかっていないとき、ポロっと外れてしまうので注意が必要です。
ただ、突起を利用できないからといって、ロックストラップが使えないわけじゃないんです!
現行のバイクでは、もはや荷掛箇所がまるでないバイクも数多くあります。CB1000EXの場合は、この荷掛用の突起を使わなくても全然問題なし。
例えば、こんな風に。
突起の付け根部分を利用すれば、ロックストラップをがっちり装着できます。
これならするりと抜け落ちてしまう心配はありません。
前方はシートレールの最前部を利用できます。
これでしっかりとバイク用ではないバッグをロックストラップを使って積載することができました。
荷物を積んだCB1100EXはやっぱり様になっていますね。
荷物が似合うこと、それすなわち、遠出が似合うバイクです!
この昭和感ある雰囲気が個人的には好きで、CB1100EXのようにトラディショナルなバイクにはついつい帆布のバッグを積みたくなります。
積んでいるバッグはバイク用の製品ではありません。幅は約55cm。容量は30Lほどだと思います。
ロックストラップとストレッチコードの詳しい解説はこちら
日本版公式サイト(インフィニクス)
バイク用バッグの装着はどうか?
いまは、週末にSAや道の駅を見ても、バイク用のシートバッグをちゃんと装着している人の方が多いと思います。
そこでHenlyBegins「ツーリングシートバッグ DH-717」を積んでみました。
このバッグは前後2カ所ずつ、計4点留めとなるオーソドックスなもの。
取付ベルトの装着はやはり装備されている荷掛フックでは、長さ(幅)が足りませんでした。
そこで、このような装着方法に。
後ろはロックストラップを留めた場所と同じです。
前は、リアサスペンションの付け根部分を利用しました。
ツインショックのバイクの場合、この部分は使えることが多くなっています。
これにて、無事装着完了。
実際に走行もしましたが、バチっとテンションをかけられたため、コーナーやブレーキ・加速での揺れもまるで気になりませんでした。
それにしてもこのバッグとCB1100EXのシートの相性がよすぎて驚きました。まさにシンデレラ・フィットと言いたくなるほど。
しかもワディングシートの表面と、バッグのトップ部分(パルステープ)の雰囲気までフィット。純正用品なのかと思うほどです。
ストレッチコードやロックストラップを使うパッキングと違い、バイク用のシートバッグは、装着したまま中身の出し入れができるという大きなメリットがあります。
この「ツーリングシートバッグ DH-717」のサイズはW300~400×H200×D290(mm)。容量は20~26L。
幅・奥行きが30cm前後のバッグなら、CB1100EXに同じようにフィットするでしょう。
ちなみに、拡張するとこんな感じになります。
拡張しても幅は40cm。全然問題なし。リアシートに荷物を積む場合、座面の幅の2倍くらいのバッグなら安心して積むことができると思っています。
それ以上になると、バッグが垂れ下がってしまうので、バッグの中身の重心などを考えたりして対応する必要があります。
あと、アップマフラーのバイクだと、バッグがサイレンサーに当たってしまうことがあるので注意が必要ですね。
HenlyBegins ツーリングシートバッグ DH-717(デイトナ 公式サイト)
Amazon 販売サイト
さて、個人的には帆布のバッグが好きですが、ここまでピタッとハマると、どっちもありだな、と思いました。ぜひみなさんのご意見をお聞かせください!
【アンケート】あなたはどちらのパッキングスタイルがお好きですか?
いいな、と思った方をポチっとお選びください。
回答後、みなさんの集計結果をご覧いただけます。
このアンケートはオリジナルサイトで参加できます。
ご回答ありがとうございました。
今後の「積載インプレ」の参考にもさせていただきます!
CB1100RSのシート下とシートの裏をチェック!
さて、今回のパッキングはご紹介した2つのバッグでおしまいですが、バイク用バッグにはシートに取り付けベルトをくぐらせるタイプもありますよね。
ということで、シートを開けてみましょう。CB1100シリーズはサイドの鍵穴にキーを差し込んで開けるベーシックなタイプです。
いまのバイクではシート下のスペースが広めといえそうですね。
現行のCB1100シリーズはいずれもETC2.0車載器が標準装備されています。その横には車載工具。この隙間にちょっとしたものなら入りそうです。
例えば、ロングツーリングのとき、少しお金を入れた予備のお財布とかを入れるのにいいかもしれません。
シートの裏には書類が挟まっていました。
オーソドックスな形状と取付方法といえるシートです。シートにくぐらせる取付ベルトを使用するバッグも装着できそうですね。
ただ、リアフェンダーの上には配線の束があるため、ずーっと付けっぱなしにするというのはまずいでしょう。
そのため、外からつける先ほど紹介したようなタイプの方が無難だと思います。
【結論】CB1100EXは荷物を積みやすいバイクなのか?
個人的な感想です。ずばり、5段階評価なら「3」といったところ。
荷掛フックにはほとんど頼りませんでしたが、シートレールやリアサスペンションの付け根のおかげで、難なくバッグを積むことができました。
あと、タンデムステップの脇に備わっているヒールガード。ちょっと位置が低いですが、この部分も場合によっては使えそうです。
積みやすさはそこそこの評価3でも、積んだ後のスタイリングは満点の「5」と言いたいです。
バッグを積んだCB1100EXからは、旅の香りがしました。
荷物を積んで、日本の各地へ出向き、写真を撮りたくなるバイクです。
ちなみに、今回はCB1100EXでの積載を行ないましたが、CB1100やCB1100RSもほぼ同じと考えて大丈夫です。
いずれも、サイドバッグもタイヤに巻き込まれないようにさえすれば装着できます。
キャンプツーリングの装備だって、少し工夫をすればキャリアやトップケースなしで積めるでしょう。
文・写真:西野鉄兵