レポート:西野鉄兵
冬キャンとはいっても、暖かいところに越したことはない!
空前のキャンプブームは衰えることを知りませんね。年末年始でも富士五湖周辺の湖畔のサイトは大盛況だったとか。
『ゆるキャン△』のドラマも面白いです。まだご覧になっていない方、アニメもドラマもAmazonのプライム・ビデオでも観られますよ~。
さて、そんな『ゆるキャン△』にならって、舞台となっている富士周辺に行きたいとも思ったのですが、凍結が怖いし、さすがに寒すぎるんで、軟弱な僕らは関東の南国、房総に向かいました。
今回の参加メンバーは以上、3人でした。オートバイキャンプ部は原則、現地集合・現地解散。誰が来て誰が来ないか分からないのも特徴です(汗)。
天気予報の最低気温は5度、最高気温は12度という、まさに暖冬の環境下で行なった、いまいち説得力に欠ける僕らの冬対策をここからお見せします!
食事は鍋料理があるといい!
鍋料理は簡単に作れることから、ツーリングライダーのキャンプ飯の定番ですよね。
しかも真冬なら、「絶対に鍋」と僕は決めています。
ステラさんの設営が完了した後、松本先輩も何やら料理を開始しました。
僕はそんな手間のかかることはできないので、これです。
カレー鍋とキムチ鍋。普段は「鍋キューブ」や「プチッと鍋」を使うのですが、今回は積載スペースにかなり余裕があったということと、水が使いにくいかもしれない、と思ったので、パックの鍋スープを採用しました。
つるんつるん温泉のHPに水に温泉が混ざっているので、飲用は控えてください、と記されていました。ただ、沸かしてから料理に使うのはOKなようです。
スープタイプの鍋の素は嵩張るのですが、水に制限がある野宿のときも、重宝します。
さて、カレー鍋とキムチ鍋は完成しました。中身の具材は両方同じで、カット野菜・豚肉の細切れ・ウインナー・冷凍肉団子。
いっさい刃物は使わず、次々と投入するだけでできてしまう人類の発明品です。
なんで両方辛い鍋なんだよ、と思った方も多いでしょう。ひとえに寒さ対策です。口から喉、そして胃がソッコーで温まる、辛い鍋こそ冬キャンにおける正義です。
味の良さは、松本先輩と西野はカレー鍋派。ステラさんはキムチ鍋派、と分かれました。どっちも美味しかったですが、個人的にCoCo壱番屋の素は、本気でおすすめしたい。
あと、使ったガスストーブなのですが、SOTOの名品「レギュレーターストーブ」は風にも負けず、寒さにも負けず、大活躍。カセットガスタイプでありながら、火力の微調整も可能で、ホント優秀だと思いました。
この記事で、SOTOのストーブの実験をしております。
Amazonでもお買い求めいただけます。
B6君はゆるキャン△ブームでなかなか手に入らないといわれていましたが、いまはAmazonでも手に入るようです。2月6日現在、セットで6820円。
冬のキャンプツーリングに適した服装とは?
西野が着ていったウエアについて解説します。
上着は、綿のTシャツ・ネルシャツ・フリース・ダウンジャケットの4枚
下は、パンツ(下着)・防寒ジーンズの2枚
それだけです。それには秘密があります。
まず、暖冬で暖かかったということ(苦笑)。本気を出すまでもありませんでした。
そして、ジーンズとフリース、ダウンジャケットは、マックスフリッツ製のものを着用しています。
マックスフリッツは、機能とカジュアルさを両立したバイク用ウエアメーカー。キャンプツーリングのことを想定された製品が多いというのも特徴です。ダウンジャケットは火の粉が当たっても簡単には穴が開かず、ジーンズはストレッチがきいていて動きやすくなっています。
とくに同社の防寒ジーンズは、まるで寝袋に入っているかのように暖かく、冬も走るライダーに大ヒット。
パンツ一丁で寝袋に入る何とも言えない背徳感を帯びた心地よさを常時体感できるのです。もちろん、高機能インナーを下に履くともっと暖かくなりますよ。
そして、表から見えない一番の立役者は、みんな大好き「貼るカイロ」です。夜中は、Tシャツに計4枚貼っていました。
肩甲骨の間・腰・心臓のあたり・お腹。これをダウンジャケットで包み込むとデッドエアが溜まりに溜まってもう無敵。
靴はGORE-TEXが入った透湿防水トレッキングシューズでしたが、ほとんどサンダルで過ごしていました。使っていたサンダルは指が隠れるタイプです。
ちなみに松本先輩は、この日のためにキャンプ時に履くシューズを入手。ワークマンに売っていたという防寒シューズです(税込2,500円・ワークマンブランドではありません)。デニム地に見える下の部分までが防水設計で、ソールも滑りにくいつくりとなっていました。
僕は、防寒着をかねて、レインウエアも携行していました。さらに、保険でもう1枚フリースとオーバーパンツも持っていきました。出番はありませんでしたが、それが一番!
このキャンプで「寒っ!」と思わず声が漏れたのは、わずか数回。Tシャツが不意にずり上がってしまったときだけです。
夜中の暖かさには、焚き火も大きく貢献しています。
勝浦つるんつるん温泉キャンプ場は、直火OK。しかもご覧の通り、車両の乗り入れも可。このふたつが可能なキャンプ場、いまではだいぶ少なくなったと思います。
ちなみに松本先輩は、こんな文明の力を利用していました。BMW R1200GSをフルパッキングにして、何を積んできたのかと思えば……完全な個人プレーです。
ちょっと貸してもらうと……ガスヒーターって無茶苦茶暖かいんですね。知りませんでした。しかもこれがいまでは3000円以下で手に入る時代に。
ガスの消費量が気になりましたが、一晩で使用したOD缶は500サイズ1本弱でした。日が暮れる頃からまあまあな威力で使い始め、夜中の0時になってもまだ使えていましたから、ありだと思います。
一方、電気で動かすセラミックヒーターはというと……野外だとほとんど力を示せず。編集部で試しに使ってみたときは暖かったんですがね。
「いや、これが活躍するのはまだこの先だ」と強がってみせる松本先輩。
まさか、そんな使い方があったとは……!?