と、いうわけでヤバイ不具合とその症状(異音とかね)をプロフェッショナルに聞いてきましたよ。
まずは壊れたカブをカビィに入庫。
このあいだ壊れたカブをいつものM&Fカビィにもってきましたよ。壊れた時の話はこちら。
で、各部をチェックしてからオイルを抜いてみますよっと。
うわ、見てよコレ! オイルと鉄粉でマーブル模様になってる! 美しいね! ここ写真撮らなくていいの? 撮るべきだよ! ほら撮ろうよ!
で、その後エンジン開けてみたところ、コンロッドのベアリングが耐用年数超えてて限界に達して砕けたと判明。そうよね、ベースが中古バイクだもんね。むしろよくがんばった。
んで、そのまま入院。
せっかく痛い目を見たので、こんな目に遭う人が一人でも減るように、症状による異音や、スーパーカブでをダメにしないためのチェックポイントについて話を聞いてきたよ!
エンジン周りの不具合とその症状はこんな感じ。やばくなる前にバイク屋にGO。
異音といえばやっぱりエンジン。原因自体は無数にあるので、代表的な異音箇所と原因にしぼって紹介。ただ、基本的にエンジンから異音が出たらプロに任せるを推奨します。
ほっといてもなおらないんで、エンジン開けるしかないじゃんね。
わしも、野点ツーリングで違和感あったときに帰りにカビィに立ち寄ればこんなことには…。
ヘッド部分からの異音
ヘッド部分っていうのは、エンジンの一番てっぺんの部分。バルブとかカムとかカムチェーンとか入ってる。カブは横型エンジンだから一番先頭。
「シャラシャラ」「チャキチャキ」とかは、カムチェーン関連からの異音。あと、「ガラガラ」と「ジャキジャキ」とも。丸い蓋のあたりから音がする。
原因としては、カムチェーンやカムスプロケット、ガイド関連とか。
特にガイドローラーやテンショナーローラーはゴムでできてるので、基本的に消耗品と考えてください。減っていくと最後には砕けてしまいます。
また走行距離の多い、いわゆる過走行車ですと、カムチェーンも伸びていたりします。バルブタイミングのズレが出たりと、良い事がないのでそうした車両は交換推奨です。
構造が複雑で部品も多いので、いろんな音が発生しがち。消耗品ということで交換パーツも扱ってるみたいだけど、いずれにせよかなりややこしい部分なので、自分だったら一も二も無くプロに任せるかな。
カム関連以外だと、バルブからのタペット音も定番。ヘッドにあるカムシャフトとバルブのクリアランスが正確じゃ無いと「カタカタ」とか「カチカチ」って鳴るよ。これはタペット調整で直ります。
シリンダー部分からの異音
シリンダー部分は、ヘッドとクランクケースの間。シリンダーの中をピストンが動いてるぞ。
シリンダーやピストンが摩耗したり不具合起こしてピストンの首振り状態になると「ケタケタ」とか「パカパカパカパカ!」みたいな音が出る。そうなるとシリンダーやピストンの交換なので、せっかくだから修理ついでにボアアップしても良いかも。
ピストンの首振りですが、回転数を上げると静かになる傾向があります。
また、エンジンが冷えている、冷間時の方が音が大きいです。
クランクケースその①クランク周りの異音
クランクケースはその名の通りクランクやミッション、クラッチ、あとジェネレーターが収まってる。エンジンで一番太くてでかいとこ。HONDAロゴとかシフトペダルとかついてる部分ね。
で、まずはクランク周り。クランクシャフトとコンロッドがつながってて、そのコンロッド大腿部(ビッグエンド)のベアリング破損が定番。「カンカン!」「カチカチ」みたいな音がする。
ここの故障だけは他とは別格にヤバイ。「クランクシャフトから異音だな」と思ったら、もうエンジンかけずに、即座にバイク屋に相談して。まじで。
しかもクランクシャフトのベアリングは経年やらで、いつかは壊れるのよ。
車両の状態や乗り方、カスタムの仕様などもあるので、一概には言えないのですが、10万km走って平気な個体もあれば、1万kmで不具合でる個体もあります。
自分は大丈夫と思いがちですが、放置するとエンジンが完全にダメになるので、違和感を持った時はくれぐれも慎重に対処してください。
若林のカブもここが壊れた。参考までに自分のパターンはこんな感じ。
①なんとなくパワーが落ちてるしうるさくなった気がする。でも前からこんなモンかな?
②走行中にめちゃ気になるくらい異音がでる「カタカタカタカタ!」みたいな。
で、バイク止めて見てみたけどわからない。走ってたらおとなしくなった。
③坂が上らない。で、走行中にめちゃめちゃでかい異音。
例えて言うと「バッグとかのバックルがホイールに巻き込まれた!?」みたいな感じ。
「カカカカカカカカ!」みたいな。
④こりゃヤバイと思って即停止。エンジンかからないように、キー抜いてそっとキックを下ろして異音を確認。で、3回目くらいでキック降りなくなる。
⑤終了。シリンダー、ピストン、クランクシャフト&コンロッドその他交換と相成りました。
クランクケースその②ミッションからの異音
ミッションからの異音は、「ギリギリ」とか「ガガガ」って音が出るぞ。ただ、上のクランクとかと違って変速ギアの話なので、音の種類というよりは「シフト操作に関連する異音」ということで判別した方が良いかも。
ミッションのギア欠けというケースもあります。その時は、「カチカチカチ」って音が鳴りますよ。
ただ、タペット音なんかに比べると音の出る周期が圧倒的に長く、「あっ、ギア欠けしてる!」ってわかりやすい音がします。
走行中にのみ聞こえる、というのも判断材料ですね。
基本的にクランクケース内の修理は相当に大変なので、ショップに相談推奨。どれくらい大変かって、ヘッドとシリンダー外して、クランクケースをぱかっと割らないといけないのよね…。
クランクケースその③クラッチからの異音
クラッチはクランクケースの右(キックペダル側)なので、そのあたりから「シャーシャー」とか「ガラガラ」って言うと怪しい。クラッチの入力状態で音が変わると実に怪しい。
ニュートラル状態、一速に踏みこんだ状態、足を離して一速に入った状態、なんかで音が変動するとクラッチかなー、という感じ。
クラッチの交換は、これまでの故障個所にくらべて比較的簡単。クランクケースカバーをあければコンニチワ。とはいえ、ガスケットや専用工具が必要だぞ。
交換したらクラッチ調整もね。このあたりはまたいつか掘り下げたい。
実際に異音を聞いてみよう
異音って言ってもさ、言葉ではなかなか伝わりにくいですよね。音だもん。
百聞は一見にしかず、というか、いや逆だな。聞く方が読むより早いって言いたいの。
というわけで実際に異音の出てるエンジンを探して動画を録ってきたよ。
メニューは、クランクベアリング異常、ピストン首振り、カムチェーン異音の3品でございます。
「自分のバイクが異音出てる気がするけど確信もてないなー」という人の参考になれば幸いでございます。
なお、車体の個体差や症状の違いもあるので、あくまで一例ということでお願いします。
まずは激ヤバ筆頭なクランクの異音。クランクベアリング破損するとこんな異音するよ。
バイク歴長い人にこの動画聞かせると「うわぁー」ってなるよ。
若林もコレだったので、聞くとつらい気持ちになる。
お次はカムチェーン。ヘッド部分でチャキチャキジャラジャラ言ってるの、わかるなか。ちょっとわかりにくいかも。
最後はピストンの首振り。シリンダーの摩耗やらなんやらでピストンがまっすぐ動かないのね。
上下運動のついでに当たってるせいか「ケタケタ」みたいなちょっと変わった音。
でね、異音ばっかきいてても「何が異音なのか、そもそも異音とは何か」ってな具合にわけわかんなくなりますよね。そもそもそんな見事に聞き分けれたら動画見る必要もないし。
なので、参考までに同条件で異音の出ていないエンジン音も録ってきましたよ。比較してね。
こちらも車体の個体差などの違いもあるので、あくまで一例ということでお願いします。
ノーマルスーパーカブ50の好調エンジン。年式はこれまでのより新しめだけど、エンジン音自体は変わらないので。ご参考までに。
最後にせっかくなので若林のスーパーカブ。スーパーカブ90ベースの105ccで異音出てない好調な状態はこんな感じ。
この記事作るのに1か月以上かかってて、その間に復活。直って本当に良かった。ごめんよカブ。
エンジンまわりの異音まとめ
色々まとめてみたけど、基本はあれです。気になったらバイク屋もってくしかないです。
中でもクランクシャフトはマジでヤバイ。それ以上エンジン掛けずに、車に積むなどして即座にショップに持ち込むレベル。油断してると若林みたいになりますよ。
そうですね。機械はほっといても治癒しないので、不安や気になる点があったら早めにお近くのショップなどに相談してくださいね。