語り:伊藤真一/まとめ:宮﨑健太郎/写真:松川忍/モデル:大関さおり
ホンダ「CB1300 SUPER FOUR SP」のサスペンションは何がすごい?
スタンダードでも優秀な操縦安定性なのに、SPでは“別物”と感じさせる!
前回スタンダードに試乗したときは、操安性の良さに大変関心しました。全く不満がないので、前後サスペンションの設定を変えることなく乗ってましたね。
今回のSPでは、ハイスピードコーナーの多いワインディングも走りましたが、その際はリア側をちょっと硬くして、フロント側がもうちょっと入るようなセッティングを試したりしました。
SP用のオーリンズ製サスペンションは前後ともに調整範囲がスタンダードに比べて広く、セッティングを変えることで走りが結構変わります。セッティングをいじる楽しさがあるので、その辺にこだわりたいタイプのライダーにはとても向いているモデルかな、と思いました。
スタンダードのCB1300SFも非常に良いモデルですが、やはりSPは"別物"ですね。
SPに採用された専用のオーリンズ製フロントフォークは倒立式ではなくて正立式ですが、走らせているときにフォークを倒立式にしていたら、ハンドリングはどうなっていたのだろう、とか思ったりしました。
車両全体のスタイリング的なまとまりのことや、フロントまわりの剛性をガチガチにしちゃうと走行フィーリングがあまり良くないとか、いろんな意味があってこのインナーチューブ径43mmの専用設計の正立式フォークを採用したのでしょうね。
スタンダードとSPの価格差は37万4000円ですが、専用のオーリンズ製前後サスペンションとフロント側ブレンボ製キャリパーが付いていてこの価格差ですから、ホンダの大型ネイキッドの中では一番高価となりますが、お買い得なモデルだと思います。
ホンダ「CB1300 SUPER FOUR SP」の特別なブレーキのフィーリングは?
高級感あるタッチやハイスピード対応に優れるSP専用のブレンボ製キャリパー
スタンダードのフロントブレーキとSP用のブレンボを比べてみると、やはりブレンボの方がタッチが良くて、感触にも高級感があります。以前スタンダードに乗ったとき、ABSの効き方や制御、そして制動力やコントロール性が良いなと思いましたが、ハイペースで走ってブレーキを酷使すると、パッドの離れが悪くなり、ABS介入が早くなるフィーリングがありました。
今回は、そのときよりもハイペースでブレーキングを試しましたが、ブレンボではそのような現象はなかったです。これはかなり酷使した場合での話で、一般の方ならスタンダードでも何ら不満はないでしょう。それでもブレンボのブレーキは、魅力的な装備に違いありませんね
ホンダ「CB1300 SUPER FOUR SP」各部装備・ディテール解説
ホンダ「CB1300 SUPER FOUR SP」足つき性・ライディングポジション
CB1300 SUPER FOUR SPのシート高:790mm
ライダーの身長:179cm/パッセンジャーの身長:173cm
スタンダードのCB1300SFに対し、SPは足まわりの変更に伴い、全高、シート高、最低地上高がそれぞれ10mmアップ。「ライディングポジションはとても自然で、足着き性もとても良いですね。街乗りでもツーリングでも、疲労度は非常に少ないです」と伊藤さん。
タンデムシートの座り心地については、ステップ位置、グラブレール位置ともに快適な設定であるとは大関さおりさんの評価。SPはソロではもちろん、タンデム走行を楽しみたい人にも適した1台と言えるでしょう。
語り:伊藤真一/まとめ:宮﨑健太郎/写真:松川忍/モデル:大関さおり