ホンダ「CB1300SUPER FOUR/SP」誕生の歴史
今も圧巻の存在感を誇る大排気量ブームの立役者
国内では1990年前後から750cc超のビッグバイクが伸張。ここに投入する次世代モデルとして「プロジェクトBIG-1」のコンセプトが掲げられ、1992年にCB1000スーパーフォアがデビューした。ナンバー1の迫力を生み出すため、当時ホンダの水冷直4で最大の998ccユニットを採用。セクシー&ワイルドを目指したボディの造形もライダーを魅了した。
以降、CB-SFは王道モデルとして定着し、1998年には排気量を1300ccに拡大。2003年にはFI化に伴うフルモデルチェンジで現在につながる進化を果たした。現行型は2017年に登場し、排出ガス規制に対応しつつも9PSアップを達成。クラッチ操作を軽減するアシストスリッパークラッチの採用、サス、ブレーキの改良などで完成度を高めた。
さらに2018年には前後オーリンズサスやフロントにブレンボ製のモノブロック・ラジアルマウントブレーキキャリパーを装備したSPも追加投入されている。
ホンダ「CB1300 SUPER FOUR/SP」ショート・インプレッション(宮崎敬一郎)
CB1300SPはオーリンズとブレンボが付いたモデルだが、ポイントはその味付け。単純に考えれば、スポーティな走りでのポテンシャルアップを睨んでのグレードアップと考えるのだろうが、無理な背伸びをすることなく、SF本来の魅力は損なっていない。
フロントフォークは褶動抵抗の少なさによる初期作動の滑らかさが魅力で、強力な減衰を優しく発揮する。リアショックもバネの硬さや伸び代不足による突き上げは一切なく、前後ともセッティングが素晴らしい。ハンドリングにおける旋回性の変化はほとんどないが、接地性が良くなったので、安心感が非常に増している。SPにホンダが施した「魔法」は、SFの魅力を一層際立たせている。
CB1300 SUPER FOUR SPの足つき性・ライディングポジション
シート高:790mm(SP)
ライダーの身長・体重:176cm・68kg
大柄な割に足着きがいいのはシートが低いから。その分、ステップとシートは近めで、大柄なライダーには膝が窮屈に感じられるかもしれない。上体は大きなハンドルによって前傾が緩く、かなりリラックスできる。
ホンダ「CB1300 SUPER FOUR」ブランドヒストリー
ビッグバイクへの憧れを具現化した存在
CB1000/1300スーパーフォアは大別すると3世代に分類できる。初代はCBR1000Fの水冷直4を採用することから形造られ、ビッグバイクの迫力を生み出すため大径の18インチホイールやロングホイールベースが採り入れられた。
第2世代は1998年以降の1300cc+キャブレター仕様で、ツインショックの弱点を克服するダブルプロリンクサスを採用。2003年の第3世代では軽量化も図られ、エンジンで8kgなど計20kgのダイエットに成功。その後、2008年、2017年に排出ガス規制に対応しつつ細部を熟成、現在も進化し続けている。
1992年 CB1000 SUPER FOUR
1998年 CB1300 SUPER FOUR
2003年
2008年
2009年
2014年
2017年
文:オートバイ編集部、宮崎敬一郎/写真:赤松 孝、森 浩輔