排ガス規制の変わり目でモデルチェンジを遂げた「MT-07」と「MT-09」
バイクの新型車がまとまって発表される時期は、年に2度あります。ひとつは、年明けから3月にかけて。例年3月に大阪・東京モーターサイクルショーが開催されるというのも要因です。
そして、もうひとつのお祭りシーズンは、秋。2年に一度の東京モーターショーやドイツのケルンショー、毎年開催されるイタリアのミラノショーなどビッグイベントに合わせて、各社新型車を発表するのです。ただ今年は残念ながら、コロナの影響によりすべて中止に。
でもメーカーは、気合いの入ったニューモデルはもちろん用意しています。とくにこの秋は、欧州の新たな排ガス規制EURO5に対応しなければならないため、例年以上といえるほど新型車が登場している真っ最中です。
ヤマハの「MT-07」&「MT-09」もこの機に大きなリニューアルを遂げたモデルになります。
「MT-09」の2021年モデルはフルモデルチェンジ
先に公開されたのは、新型「MT-09」でした。10月28日に欧州で正式発表。
水冷DOHC3気筒エンジンは845ccから890ccに排気量をアップ。EURO5に対応させつつ、最高出力と最大トルクも向上させています。
フレームも新設計となり、まさにフルモデルチェンジと呼べるもの。
6軸IMUとスロットルバイワイヤを搭載し、電子制御システムは、トラクションコントロールのほか、リフトコントロール、スライドコントロール、ブレーキコントロールまで備わっています。クイックシフターは、アップとダウンに対応するものを標準装備。
メーターも最新バイクのトレンドであるフルカラーTFT液晶に刷新。
印象的なのは、より鋭さを増したスタイリングでしょう。
ヘッドライトを含むフロントフェイスをリニューアル。新技術による軽量ホイールを装備し、サイレンサーも刷新。ありとあらゆる部分が変わりました。
そして、11月11日には、上級グレードである「MT-09 SP」を発表!
新型MT-09の装備に加え、クルーズコントロールを搭載。サスペンションは高性能なものが前後に搭載されています。
車体のカラーは、ヤマハのスーパースポーツマシン「YZF-R1M」とリレーションシップを図ったもの。そのためカラーバリエーションは1色の設定となります。
「MT-07」の2021年モデルはマイナーチェンジ
新型「MT-07」は、11月4日に発表されました。
MT-07は水冷DOHC2気筒エンジンを搭載。排気量は688cc(欧州表記は689cc)。従来型から、形式・排気量・出力・トルクに変更はありません。EURO5に適合させたものとなり、合わせてECUやエアダクト、排気系の仕様変更が行なわれています。
スタイリングは、兄弟モデルである「MT-09」と通ずるシャープな印象に生まれ変わりました。燃料タンクのカバー周辺のデザインが一新しています。
LEDヘッドライトはMT-09と形状こそちがえど、ヘッドライトを中央に配置し、両サイドにポジションランプを備えるスタイルは、共通。このヘッドライトは一灯で、ハイビームとロービームを切り替えられる「バイファンクションLEDヘッドランプ」。MTシリーズでは、MT-25/03(2020年モデル)にも採用されています。
新型「MT-07」「MT-09」シリーズの発売日・価格
現在のところ、国内での発売日や価格に関して、詳しいアナウンスはありません
ただ、「MT-07」「MT-09」は2021年春以降の発売予定とヤマハは発表。「MT-09 SP」に関しては触れられていませんが「MT-09」との同時に発売される可能性もあるでしょう。
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まとめ:西野鉄兵