バイクを売却するには2つの方法がある。ひとつは買取会社に売却する買取で、もうひとつは新たにバイクを購入するバイク販売店に古いバイクを売却する下取りだ。
とはいえ、
「買取も下取りもあまり経験がないし、そもそも買取と下取りの違いがよくわからない」
という人もいることだろう。
そこでこの記事では、買取と下取りの違いと特徴、そしてそれぞれのメリット・デメリットについて解説する。
この記事を読むことによって、買取と下取りについて理解し、バイクをより高く売却できる、あるいはよりメリットの大きい方法を選ぶことができるようになるだろう。
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バイクの買取と下取りはどう違う?メリット・デメリットも比較紹介
買取と下取りのどちらかを選ぶ前に、まずはその違いと特徴、メリットとデメリットを知ろう。
バイクの買取と下取りは「現金化できるかどうか」が大きく違う
買取はバイクを売却して現金を受け取るが、下取りはバイクの売却代金は買い替える次のバイクの購入金額の一部にあてられる。
買取とはバイクを会社に買い取ってもらいお金を受けとること
買取とは、これまで乗ってきたバイクを買取会社に売って現金を受け取ることで、バイクを手放すのに最も分かりやすい方法だ。
もうバイクに乗ることをやめるという人はバイクを手放して終わりとなる。あるいは買取で受け取った現金を新しいバイクを購入する資金の一部にすることもできる。
買取会社にバイクの査定に来てもらい、査定価格に納得できればその場で売却が決まる。当日現金を受け取れる場合と後日銀行振り込みなどで受け取る場合がある。
下取りとは乗り替え予定のバイクの代金の一部に当てること
下取りとはバイクの買い替えを前提とした方法だ。これまで乗ってきたバイクをバイク販売店が買い取って、その査定金額を次のバイクの販売価格の一部に当てる。
新しく60万円のバイクを買おうとするとき、これまで乗ってきたバイクの下取り金額が35万円なら、実際の支払い金額は差額の25万円となる。
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◆バイク買取と下取りのメリット
買取会社による買取とバイク販売店による下取りそれぞれのメリットを解説する。
【バイク買取の4つメリット】
買取会社によるバイク買取には次のメリットがある。
●下取りよりも買取の方が査定額が高い傾向
●バイクの状態が悪くても買取してくれる
●複数の買取会社の中から自分で選ぶことができる
●買取でもローン残債を相殺できることがある
①下取りよりも買取の方が査定額が高い傾向
一般的に買取は、バイク中古車市場の価格相場に照らし合わせて、適正な査定をしてくれると考えて良い。その結果下取りよりも査定額が高くなることが多い。
また人気の高い車種や、あまり中古車市場に出回らないレアな車種などについては、より高く買い取ってくれることもあるようだ。
②バイクの状態が悪くても買取してくれる
買取会社はバイクの状態に関わらず買取してくれる。事故車や走行できない不動車であっても、パーツとして価値が残っているというのが理由だ。
③複数の買取会社の中から自分で選ぶことができる
下取りは次のバイクを買う予定のバイク販売店に依頼することになるが、買取の場合は多数存在する買取会社の中から自分で選ぶことが可能。
複数の買取会社に同時に査定を依頼して、最も査定金額の高かった買取業者に買取を依頼することもできる。
④買取でもローン残債を相殺できることがある
ローン残債とは、ローン利用中でまだ返済していない残額のこと。
すべての買取会社ではないが、大手をはじめとした買取会社ではローンの残債を相殺する対応を始めている。
例として、査定価格が30万円でローン残債が15万円だとすると、ローン残債を完済した上で、15万円の現金を受け取ることになる。
【バイク下取りの5つのメリット】
バイク販売店によるバイクの下取りには次のメリットがある。
●お金のやり取りの手間が少ない
●乗り替えの日まで元のバイクに乗り続けられる
●下取り価格と残りのローンを相殺できることがある
●新車購入の場合は下取り価格の査定アップをしてもらいやすい
●下取りキャンペーン利用で特典が得られることも
①お金のやり取りの手間が少ない
古いバイクの売却と乗り替えるバイクの購入が同じバイク販売店になるので、お金のやり取りと手続きを一度に済ますことができる。
②乗り替えの日まで元のバイクに乗り続けられる
古いバイクの引き渡しと乗り替えるバイクの納車を同じ日にするのが一般的だ。これによりバイクで通勤・通学している人が、一時的に足が無くなって困るということがない。
③下取り価格と残りのローンを相殺できることがある
買取のメリットでも取り上げたローン残債との相殺だが、買取よりもバイク販売店での下取りのほうが対応してもらえることが多い。
例をあげると、下取り価格が30万円でローン残債が20万円だとすると、ローン残債を完済した上で、差額の10万円を乗り替えるバイクの購入代金の一部にあてることができる。
④新車購入の場合は下取り価格の査定アップをしてもらいやすい
バイク販売店にとって新車が売れることで一定の利益が確保できているので、その利益の一部を下取り査定に加算してくれやすい。その結果査定価格がアップする。
⑤下取りキャンペーン利用で特典が得られることも
新車を買ってもらいやすくするために、バイク販売店が期間を決めて下取りキャンペーンを実施することがある。キャンペーン期間中に下取りを依頼すると査定額がアップし、その他特典を付けてくれることがある。
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◆バイク買取と下取りのデメリット
次に買取会社による買取とバイク販売店による下取りそれぞれのメリットを見てみよう。
【バイク買取の3つのデメリット】
買取会社によるバイクの買取には次のデメリットがある。
●買い替えの日まで元のバイクに乗れない
●買取会社と買い替えるバイク販売店は別なので手間がかかる
●買取相場はあてにならない
①買い替えの日まで元のバイクに乗れない
バイクの買い替えを予定しているが古いバイクをバイク販売店に下取りしてもらわずに買取会社に買い取ってもらう場合、新しいバイクが納車されるまで一時的にバイクの乗ることができなくなる。ただしバイクの乗るのをやめるということであればこの限りではない。
②買取会社と買い替えるバイク販売店は別なので手間がかかる
古いバイクの売却は買取会社、乗り替えるバイクの購入はバイク販売店と別になるので、お金のやり取りと手続きもそれぞれ別に行うことになり手間がかかる。
③買取相場はあてにならない
バイクの買取相場は実際にはあてにならないことが多いのが現実だ。バイクは個体による差が大きく査定価格が大きく変動する。
買取会社のホームページなどで上限60万円と記載があっても、バイクの状態によって査定金額は40万円になってしまうというようなことも珍しくない。
【バイク下取りの3つのデメリット】
バイク販売店によるバイクの下取りには次のデメリットがある。
●買取よりも下取りの方が査定価格が低い傾向にある
●バイク販売店で行われる下取りはクーリングオフが使えない
●バイクの状態が悪すぎる場合は下取り対応してもらえないことも
①買取よりも下取りの方が査定価格が低い傾向にある
バイク販売店が下取りしたバイクは、通常はその店で販売することが多くバイク販売店は在庫のリスクを負う。そのため下取りの査定価格は低くなりがちだ。
②バイク販売店で行われる下取りはクーリングオフが使えない
クーリングオフとは契約後の一定期間内であればその契約を無かったことにできる制度のこと。出張買取は条件によっては適用される可能性がある。
しかし下取りはバイク販売店で行われるため、クーリングオフ制度を使うことはできない。
③バイクの状態が悪すぎる場合は下取り対応してもらえないことも
バイク販売店が下取りしたバイクの多くはその店で販売される。しかし状態の悪いバイクの場合は販売が難しいので、下取りしてもらえないこともあり得る。
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◆収益モデルから見る買取と下取りの違い
買取会社とバイク販売店ともにバイクの売却先だが、それぞれ全く異なるビジネスをしており収益モデルも大きく違う。
【買取会社の収益モデルから見るバイク買取】
バイクを大量に買い取って、業者オークションを利用して薄利多売をすることが買取会社の収益モデルだ。
●買取会社はバイク買取に特化している
●短期間で確実に販売できるルートが確立している
●大量のバイクを販売するので薄利多売が可能
買取会社はバイク買取に特化している
バイク買取に専門的に特化しているのが買取会社だ。買い取ったバイクを業者オークションの会場で販売することで収益を得ている。
短期間で確実に販売できるルートが確立している
業者オークションは全国のバイク販売店が参加するもので、出品されたバイクの90%以上が成約する。買取会社はこの業者オークションの仕組みを利用することで、買い取ったバイクを確実に販売することができるのだ。
大量のバイクを販売するので薄利多売が可能
業者オークションでは出品したバイクが確実に成約されていくので、大量のバイクを買い取っても在庫リスクの心配がない。そのためバイク1台1台の利益は少なくても薄利多売することで利益を生み出すことができる。
バイク販売店の収益モデルから見るバイク買取
バイク販売店にとってバイクの下取りは、新車を販売するための手段の一つであってメインではない。
●バイク販売店は新車販売と整備が収益のメイン
●下取りしたバイクが在庫になるリスク
バイク販売店は新車販売と整備が収益のメイン
バイク販売店にとっては新車の販売と整備が本来メインの仕事だ。もちろん中古車の販売も行うが、店頭で売りやすいバイクのみを下取りしたいというのが本音だろう。
下取りしたバイクが在庫になるリスク
下取りしたバイクを店頭で販売しても、売れないかもしれないというリスクをバイク販売店は抱えている。そのため下取りの査定は厳しいものとなりやすい。
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買取と下取りを上手く使い分けるには?
バイクを売却する目的に応じて、買取と下取りのメリットがより多い方を選ぼう。
買い替えるバイクとバイク販売店が決まっている人は下取り
これまでに付き合いのあるバイク販売店があり買い替えるバイクも決まっている場合は、そのバイク店で下取りしてもらうのが良い選択だろう。
付き合いの長さや深さによっては下取り額を多少アップしてもらえる可能性があるし、金額だけでは表せない人間関係やアフターサービスの手厚さなども考慮すべきだ。
バイクを売却することが主な目的の人は買取
●まずはとりあえずバイクを売却したい。
●できるかぎり高くバイクを売却したい。
●買い替えだがバイク販売店との人間関係やアフターケアは期待していない。
上記のどれかに当てはまる人は下取りではなく買取を選ぶと良いだろう。バイク販売店との関係性は作れないものの、多くのケースでより多くの現金を得ることができる可能性が高い。
買取・下取りの両方を並行して査定してもらうことも可能
これまで述べたように、買取と下取りにはそれぞれメリット・デメリットがあり、ケースによってはどちらを選ぶべきか迷うこともあるに違いない。
そんな時には買取と下取りの査定を同時並行で進めるという方法がある。可能なら複数の買取会社に査定をしてもらいつつ、バイク販売店にも下取りの見積もりをしてもらう。そして両者を比較してより高額で売却できる方を選択すればよい。
まとめ
バイクを売却するには、買取会社に買い取ってもらう買取と、乗り替えるバイクを購入する予定のバイク販売店に下取りしてもらう2つの方法がある。
買取と下取りのどちらにもそれぞれメリットとデメリットがある。それは売却先となる買取会社とバイク販売店のビジネスの収益モデルの違いによるところが大きい。
すでに買い替えるバイクと販売店が決まっている人は、下取りを選ぶと良いだろう。
バイクを少しでも高い売却したい人は、買取を選ぶほうがより多くの現金を得やすい。
そして買取・下取りの両方を並行して査定してもらうという方法もある。
まずは買取と下取りの違いとメリット・デメリットを理解して、自分の目的に合った都合の良い方法を選ぼう。