発表されたばかりのバイクじゃないだけで、最近ちょっとスポットが当たっていない
そんな名車に乗りまくる現行車「再」検証。
今回は、2015年デビューのGSX-S1000F。
スーパースポーツのカジュアルバージョンではあるものの
実は、ものすごい底力を持つスーパーツーリングだ。
文:中村浩史/写真:松川 忍
※この記事は月刊オートバイ2020年8月号に掲載した「現行車再検証」を一部加筆修正しています。

スズキ「GSX-S1000F」足つき性・ライディングポジション

シート高:810mm
ライダーの身長:178cm

シートは低くえぐられ、足つき性は身長160cmあれば心配ないレベル。ハンドルとステップ位置も高すぎず、ロングランも快適だった。スクリーンはヘルメットあご位置あたりまでを整風。ロングが多いオーナーは純正アクセサリーのロングスクリーン装着も多い。

スズキ「GSX-S1000F」各部装備・ディテール解説

ロングストロークレシオでストリートモデルとの融和性が高いと評価されるGSX-R1000の2005年モデルのエンジンをベースに、車体もGSX-R系のアルミフレーム&スイングアームをベースとし、アップライトのポジションを持つストリートスポーツとしてデビューしたGSX-S1000/1000F。写真のカウルつきが1000Fで、S1000はストリートファイター系、1000Fはスポーツツーリングと兄弟モデルながらも性格付けされている。

画像: エンジンはK5〜K8と呼ばれる世代のGSX-R1000用の水冷4気筒をベースにリセッティング。スリッパークラッチを使用し、バックトルクを低減したほか、シリンダー隔壁にベンチレーションホールを設け、減速特性を扱いやすくモディファイしてある。またセルボタンはワンプッシュでエンジン始動し、発進時や低回転時にエンストを抑制するローRPMアシストシステムも組み込んである。3段階+OFFのトラクションコントロールも採用。

エンジンはK5〜K8と呼ばれる世代のGSX-R1000用の水冷4気筒をベースにリセッティング。スリッパークラッチを使用し、バックトルクを低減したほか、シリンダー隔壁にベンチレーションホールを設け、減速特性を扱いやすくモディファイしてある。またセルボタンはワンプッシュでエンジン始動し、発進時や低回転時にエンストを抑制するローRPMアシストシステムも組み込んである。3段階+OFFのトラクションコントロールも採用。

画像: 車体下に消音チャンバーを持つショートマフラー。GSX-S1000シリーズはスズキモデル初といっていいほど吸気&排気音にこだわり、サウンドチューニングを徹底。太く、低い、イイ音!

車体下に消音チャンバーを持つショートマフラー。GSX-S1000シリーズはスズキモデル初といっていいほど吸気&排気音にこだわり、サウンドチューニングを徹底。太く、低い、イイ音!

他モデルがどんどんLEDや薄型ヘッドライトを採用する中で、ひときわ存在感をアピールするビッグアイのGSX-S1000F。スクリーンは固定式で高さ調整ができないのはちょいと残念。

画像: プリロード&伸/圧側減衰力調整ができるフルアジャスタブルのφ43㎜倒立フロントフォークに、Φ310mmローターとブレンボ対向4ピストンキャリパーをラジアルマウント。R1000なみの豪華装備だ。

プリロード&伸/圧側減衰力調整ができるフルアジャスタブルのφ43㎜倒立フロントフォークに、Φ310mmローターとブレンボ対向4ピストンキャリパーをラジアルマウント。R1000なみの豪華装備だ。

画像: スイングアームはマフラーを内側に追い込むためにへの字に湾曲するスーパースポーツ的手法。ABSは標準装備、ホイールは写真のパールグレッシャーホワイトのみ、専用カラーのブルーが使われている。

スイングアームはマフラーを内側に追い込むためにへの字に湾曲するスーパースポーツ的手法。ABSは標準装備、ホイールは写真のパールグレッシャーホワイトのみ、専用カラーのブルーが使われている。

画像: ベースエンジンとしたK5世代より長い、L5世代GSX-R用スイングアームを採用したS1000。リアサスは伸び側減衰力とプリロードが調整可能。減速比などは初期型から不変。

ベースエンジンとしたK5世代より長い、L5世代GSX-R用スイングアームを採用したS1000。リアサスは伸び側減衰力とプリロードが調整可能。減速比などは初期型から不変。

画像: 液晶ディスプレイはギアポジション、スピードを中央に表示し、タコメーターはバーグラフ式。瞬間&平均燃費、オド&ツイントリップ、残ガス走行可能距離などを表示する。

液晶ディスプレイはギアポジション、スピードを中央に表示し、タコメーターはバーグラフ式。瞬間&平均燃費、オド&ツイントリップ、残ガス走行可能距離などを表示する。

画像: セレクトと↑↓ボタンでトラクションコントロールを設定、↑↓ボタンのみでメーターの表示項目を手元でオド&ツイントリップ、瞬間&平均燃費に変更することができる。

セレクトと↑↓ボタンでトラクションコントロールを設定、↑↓ボタンのみでメーターの表示項目を手元でオド&ツイントリップ、瞬間&平均燃費に変更することができる。

画像: GSX-Sをはじめ、スズキモデルのシートの出来は好印象。硬すぎず柔らかすぎず、表面積も広く、体重移動もしやすい。前後へのシットポイント移動しやすさがロングラン向き。

GSX-Sをはじめ、スズキモデルのシートの出来は好印象。硬すぎず柔らかすぎず、表面積も広く、体重移動もしやすい。前後へのシットポイント移動しやすさがロングラン向き。

画像: タンデムシート裏にフックを設けたヘルメットホルダー。同じく荷かけフック用のフラップが収納されていて、タンデムステップ裏と併用して荷物積載やドローコードを使用。

タンデムシート裏にフックを設けたヘルメットホルダー。同じく荷かけフック用のフラップが収納されていて、タンデムステップ裏と併用して荷物積載やドローコードを使用。

画像: 雨走行の時に気づいた、ハーフカウル後方、タンクナナメ下のウィンドフラップ。走行風をうまくボディからはがし、冬の冷気や雨走行のヒザ濡れを防止してくれる。

雨走行の時に気づいた、ハーフカウル後方、タンクナナメ下のウィンドフラップ。走行風をうまくボディからはがし、冬の冷気や雨走行のヒザ濡れを防止してくれる。

スズキ「GSX-S1000F」実測燃費

実測参考燃費は、21.5km/Lだった!

一般道、高速道路、ワインディングを約500km走行。平均燃費は約21.5km/Lで、高速クルージング中のメーター瞬間燃費は約28km/Lあたりを表示していた。日帰り500kmツーリングでの体の疲れが少なかったのもGSX-Sならでは。

画像: タンク容量は17Lで、今回の試乗では約350kmで給油した。燃費ライドで満タン400kmが可能なレベルだった。

タンク容量は17Lで、今回の試乗では約350kmで給油した。燃費ライドで満タン400kmが可能なレベルだった。

スズキ「GSX-S1000F」主なスペックと価格

全長×全幅×全高2115×795×1180mm
ホイールベース1460mm
最低地上高140mm
シート高810mm
車両重量214kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量998cc
ボア×ストローク73.4×59.0mm
圧縮比12.2
最高出力109kW(148PS)/10000rpm
最大トルク107N・m(10.9kgf・m)/9500rpm
燃料タンク容量17L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜
トレール量100mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・190/50ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格120万7800円(消費税10%込)

文:中村浩史/写真:松川 忍

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