パニガーレV4のデスモとはまったく異なる新型V4エンジン
ドゥカティの「ムルティストラーダ」シリーズは、2019年までに10万台以上を生産してきた人気のアドベンチャーモデル。
最新の装備をいち早く導入することでも知られ、いまではすっかり普及した「ライディングモード」を初めて採用したのは2010年のムルティストラーダ1200でした。
そして、これから日本でも発売される「ムルティストラーダV4」は、車体の前後にレーダーシステムを備えていることも話題となっています。
ただ「ムルティストラーダV4」誕生にまつわる最大のトピックスは、新型エンジンを搭載したことでしょう。
従来モデルのムルティストラーダ1260までは、V型2気筒エンジン(1262cc)を搭載してきたところ、新型は車名のとおりV型4気筒エンジン(1158cc)を積んでいます。
このエンジンは、ドゥカティが誇るスーパースポーツマシン「パニガーレV4」のV4エンジン「デスモセディチ・ストラダーレ」とはまったくの別物! 新たにムルティストラーダV4のために新開発された「V4グランツーリスモ」というエンジンです。
最高出力は170PS/10500rpm、最大トルクは12.7kgm/8750rpmを発揮。バイクに詳しい方ならこの数値を見て、「お?」と思うかもしれませんね。V4ながら最高出力の発生回転数が低めなのです。
ドゥカティはこのエンジンを開発するにあたり、回転数全域での乗りやすさを追求。低中回転域でのなめらかさ、そして高回転域でスポーティに。出力トルクカーブに谷はありません。
数値よりもきっと誰もが驚くべきことは、見た目でしょう。「V4グランツーリスモ」は、非常にコンパクトなつくりとなっています。
そのサイズは従来のムルティストラーダ1260のV型2気筒エンジンと比べて、高さは-95mm・前後長は-85mm・重量は-1.2kg。幅こそ+20mmですが、V2よりも大幅にサイズダウンしたV4エンジンが完成したのです。
ドゥカティは、このエンジン「V4グランツーリスモ」の大きな特長として、メンテナンスサイクルのスパンの長さを強調。オイル交換は15000km毎(または2年毎)、バルブ・クリアランスの点検と調整は60000km毎でOKと発表しています。
一般的に、バルブ・クリアランスの点検と調整は25000km前後としている場合がほとんど。身近に感じるすごさはオイル交換の方かもしれませんね。3000~5000km毎といわれることが多い中、15000km毎でいいと、メーカー自らうたっているのです。15000kmを走らない場合は、2年毎でOK。この2年という期間もすごいことで、「V4グランツーリスモ」の特長となっています。
なぜこんなエンジンを造ることができたのか? 伝統のV4エンジン「デスモセディチ・ストラダーレ」とはまるで異なる仕様となっています。
ドゥカティが下した新たな決断、そしてエンジン構造の詳しい内容や、ムルティストラーダV4の詳細情報はぜひ公式サイトよりご覧ください。とにかく詳しく紹介していますよ。
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まとめ:西野鉄兵