全バラの保管車を改めてイチから組み上げる
長年CB-Fを扱ってきた市本ホンダ(チームCB’sの方がなじむというファンもいるだろう)による1台。1983年型CB1100Fの北米仕様がベースだが、同店製車両の特徴のひとつとも言える、キラキラした派手感が抑えられている。
「それが今回のメインコンセプトだったんですよ(笑)。車両のオーナーは私のかつての仕事の後輩で、『CB-Fで渋いの作ってほしい』って言われたんでじゃあ、って作ったんです。渋カッコ良くブラック&ガンメタで、50歳代でも乗れるように派手さを抑える。それがそのままコンセプトですよ」と同店・市本さんは言う。
なるほど、そう聞くと納得がいく。よく見ればたたずまいやちょっと上がったマフラー&テールなど、これまでのCB’s車両のテイストはきちんと込められながら、全身の配色が徹底してモノトーン化されているというわけだ。
車両は元々同店にあったものが、全バラされてそのまま15年近く保管されていた。これをベースとした。
「それが部分ごとに箱に分けて保管されてたから、洗浄から始めて、塗って、組み上げていったんです。だからゼロというか、バラしからやるよりは楽だったかな。フレームも不要パーツを外して補強(8カ所)とレイダウン加工をしてパウダーコート仕上げ。
エンジンはφ71mmピストンをJEに特注してますが、これはもう1回、φ72mmにできる(はなから上限のφ72mmにしてしまうと、次はシリンダー交換など手間もかかる)ように考えての処置です」。今も楽しめた上で先も考える。さすがにCBをよく知る市本ホンダならでは、という明快な作りだ。
ところで今のCB-F事情は? も尋ねると、市本さんはこう言う。
「純正代替品を作るショップさんもいたりで、安定はしましたよね。エンジンまわりも750Fはあまり心配ない。でも1100Fは純正個体/部品自体が少ないから、カムチェーンテンショナーなど、海外製も探して対応する感じですね」
排気量別の情報にも強いのはまたもやさすが。こうして構えてくれるなら、しばらくは不安はなさそうだ。
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