ホンダ「CB1300 SUPER FOUR」を解説
現在も連綿と流れ続けるBIG-1コンセプト
大柄で力量感のある威風堂々としたスタイリングと大排気量エンジンならではのパワー感。1992年の初代1000以来、CBのフラッグシップはコンセプトである「プロジェクト・BIG-1」が示すままにビッグバイクの象徴として君臨し続けてきた。
1998年には、X4のエンジンをベースに、排気量を1284ccにアップした2代目BIG-1、CB1300CBスーパーフォアが登場。パワーアップをはじめ、前後17インチホイールやリンク付き2本サス「ダブルプロリンク」、フロントにはΦ310mmディスクにホンダ市販車初の対向6ポットキャリパーを組み合わせた。
2003年にはCB1300として初のフルモデルチェンジ。スタイリングは初代1000への原点回帰を基本としながらも、鋭い面構成のテールカウルや集合マフラーの採用などで、スリムさとコンパクトさを追求。SC54となってSC40から20kg近い軽量化を果たし、新たにPGM-FIと組み合わされたエンジンも、シャープでキレのいい吹け上がりを約束。現在も熟成を重ね、このSC54はCB1300シリーズとしてラインアップされ続けている。
2003年 CB1300 SUPER FOUR(SC54)
ホンダ「CB1300 SUPER FOUR」の系譜
1998年 CB1300 SUPER FOUR
ドラッガーX4 の水冷4気筒をベースに吸排気系や点火時期の設定を変更。VEPB型キャブは低めに取り付け、シート形状をスリム化することで、従来より10mm低い790mmのシート高を実現した。
2000年 CB1300 SUPER FOUR
マイチェンにより5kg軽量化され、フロントのダンパーロッドをアルミに変更するとともに、減衰力特性の見直しが図られた。フロントにVTR1000SP-1用の異型4ポットキャリパーを採用している。
2003年 CB1300 SUPER FOUR
フルモデルチェンジによりSC54型に。乾燥重量で20kgの軽量化を実現し、三次元点火時期制御システムやPGM-FIを採用。4-2-1タイプのエキゾーストパイプに、1本出しの集合マフラーを採用。
2005年 CB1300 SUPER BOL D'OR
高速走行時の風圧軽減と走行安定性に寄与する新設計のハーフカウルを装備したスーパーボルドールを追加。カウル内側には左右約1リットルの収納スペースを確保。スーパーフォアともにABS装着車を設定。
2009年 CB1300 SUPER TOURING
新たに設定されたスーパーツーリングはロングツーリング向けのワイドなスクリーンや容量29Lのパニアケースを装備。前後連動のコンバインドABSも標準。2012年モデルまでラインナップされた。
2014年 CB1300 SUPER FOUR
マイチェンにより、6速ミッションが採用され、PGM-FIのセッティング変更。新形状で排気効率の高い小型マフラーを採用し、スーパーフォア&スーパーボルドールともにABSが標準となった。
この記事は、月刊オートバイ2020年12月号別冊付録「RIDE」の特集を一部加筆修正したものです。