鈴鹿2&4のレース1が終わりました。途中、多重クラッシュがあってセーフティカー介入、という場面はあったんですが、ひとまず無事に終わりました。
14周で行なわれたレース1。スタートでは清成が得意の好ダッシュを見せてフロントロー2番手グリッドからホールショットを奪取! 2番手には岩田、3番手に中須賀がつけて、以下に濱原、加賀山が続く展開。
ここから逃げたい清成ですが、2周目には中須賀が2番手に浮上して清成をピタリとマーク。3番手以降に岩田、濱原がつけて、この4台が5番手以降を引き離してトップグループを形成します。
しかし、3周目のデグナーで4~5台による多重クラッシュが発生し、レースは赤旗中断……とはならずにセーフティカー(=SC)が介入します。このへんも、なんか鈴鹿8耐っぽいです。ま、後ろにスーパーフォーミュラの公式予選が控えていますから、仕切り直しをして、スケジュールを大幅に遅らせるわけにはいきませんからね。
SCが3~4周回したのかな。コースがクリアになったのが確認されてレースがリスタート。この辺に、今回の勝負のアヤがありましたね。
レースリスタートでは、SC介入時の順位を崩してはなりませんから、清成→中須賀→濱原→岩田→加賀山、という順ですが、この周回中に濱原のマシンにトラブルがあって(カウルが外れた、なんて言ってました)ピットイン。レースリスタート直後には、すぐに加賀山が3番手に浮上します!
SC介入っていうのはすごくタイヤに問題が起こることが多くて、つまりSC追走→低速→タイヤ冷えちゃう→リスタートの時、ちゃんと温まってないからペースが遅くなる、って現象です。これで、鈴鹿8耐なんかではSC退出の瞬間にステーン!ってシーンは少なくありませんからね。
レース再開から3周目には、中須賀が満を持してトップに浮上! このまま清成を引き離して、開幕戦もてぎ大会の2レースに続いて、早くもシーズン3勝目を上げました。
2着は清成、3着には岩田の猛攻をしぎ切った加賀山。加賀山は2020年のもてぎ大会以来の表彰台ですね。
レースを見ていると、やはり中須賀+YZF-R1のパッケージがアタマひとつ抜け出ているように見えます。中須賀のスタイルは、序盤に誰か逃がしておいて、しばらくそこにくっついていく戦術。そのうえ、レースが終盤を迎えたころにトップに浮上して逃げる--ってのが勝ちパターンですから、この勝ち方を開幕から3つ続けているわけです。
このパターンにハマると中須賀無双! ヤラれる方も、もちろん「そろそろ来る!」って分かっていてもしのげない。このパターンを崩せた、2020年の野左根航汰、2018年の高橋巧がチャンピオンになれた、ってことです。
「心配していた4輪のグリップラバー痕とかスキッドプレート跡は、さほど大きな問題にならなくてよかったです。タイムも、レース後半になってもハイペースをキープできたし」と中須賀。
敗れた清成は「もともと鈴鹿は苦手なんですけど、今回もそれが解消できずに中須賀さんに負けてしまいました。悔しい…言葉がないです」と悔し気。
対して3位に入った加賀山は「もちろん毎レース優勝を狙ってるけど、今日は中須賀、清成っていう世界で活躍した2人と表彰台に乗れたのがうれしいです」と。
勝負のアヤのひとつとなったSC介入についても、加賀山が解説してくれました。
「SC走ってタイヤが冷えちゃう、それを最小限にするにはSC追走中と、解除直前のタイヤの温め方。幸い、その辺はキャリアがあるから、再開後は狙ってたんです。狙い通りイケてよかった」
それにもうひとつ。
「去年のもてぎで『最年長表彰台記録』って言われたんだけど、今回これで自分で更新できたね。それはうれしいです」だって!
あすはレース2。きょううまくいかなかったポイントを詰めて、また接近戦を待ってます!
写真・文責/中村浩史