文:太田安治、木川田ステラ、オートバイ編集部/写真:森 浩輔
ホンダ「CB250R」インプレ・解説(太田安治)
ストリートバイクとしての魅力に一段と磨きをかけた
気軽に楽しめるネイキッドスポーツとして2018年4月に登場したCB250Rだが、2019年にはマイナーチェンジを受けた。
新色追加やフロントフォークアウターチューブのカラー変更のほか、足着き性の向上も謳われているが、シート高は従来型の800mmから795mmへと5mm低くなっただけ。アピールするほどのことか? と思いながらチェックしてみた。
しかし、跨がってシートに体重を乗せた瞬間に「なるほど」と納得した。前後サスペンション、特にリアの沈み込み量が大きくなり、結果として足着き性が良くなっている。
カタログのシート高は空車時の計測だが、実際にライダーが乗ると15mm以上低い感触。これはフロントのスプリングとリアショックユニット自体を変更したことで実現している。
前後サスペンションの仕様変更に伴い、ハンドリングも変わっている。従来モデルはリアサスが突っ張る感じで走行中の車体姿勢がやや前下がり。
少し荒っぽく言うと、高荷重域でのスポーツ性を削ってストリートユースでの扱いやすさ、快適性に振り分けたセッティング。CB250Rのユーザーは若いエントリーライダー中心なので、このセッティングのほうが適していると思う。スポーツライディングを追求するならCBR250RRがある。
ダイレクト感のあるハンドリングと一次旋回の鋭さが小気味よかったが、神経質な印象を受けるライダーもいたはず。対して新型は車体姿勢がほぼ水平になって前輪荷重が少し減り、全体的に穏やかな反応になった。
エンジン特性は低中回転域での扱いやすさを優先した設定。ゼロ発進がしやすく、6速・3000回転(約50km/h)からタタタッと加速する粘り強さも備えている。反応がいいのは7000〜1万回転で、キレのいいクラッチ、小気味よく決まるシフトと併せてパワーバンドを保つ楽しさもある。
100km/h時は約6300回転だから、120km/h制限の高速道路でも不足なし。7000回転あたりから振動が増えてくるので、快適速度は60〜110km/hあたりだ。
ギアポジションインジケーターとハザードランプこそないが、ハンドル切れ角も大きく、ミラーの後方視認性も抜群。ストリートバイクとしての完成度は一層高まっている。