文:中村浩史/写真:森 浩輔
走って面白い!そして何より…愛らしさってレジャーバイクの特権です!
スポーツもこなすけれどサイズからしてカワイイ
今でこそあまり聞かれなくなってしまったけれど、かつて「レジャーバイク」ってカテゴリーが人気だった時代がある。それが、旧モンキー50を代表とするミニサイズで、バイクのスタイリングもデフォルメっぽくカワイく、走りはそこそこ、って存在。
ホンダはモンキー、ゴリラ、ダックスに、ヤマハのミニトレ、YSR、スズキGAG。思いのほかスポーツ性が認められたYSR50だって、ヤマハレーシングマシンのダウンサイズディフォルメバイクだったから、あれもレジャーバイクでいいはずだ。
もちろん、モンキーなんかは8インチタイヤを履いたミニサイズだったから、免許取り立ての男子女子が乗っても可愛かったし、おじさんたちはコレクションやカスタムを楽しんだ。
そのレジャーバイクが、令和の時代になって復権しようとしている。
元祖レジャーバイクのモンキーは125ccとなって前後12インチという現実的なサイズになってリニューアル、GROMはレース仕様もあるスポーツバイクだけれど、Z125ともども、ストリートバイクとしてのカワイさが高く評価されているのだ。
125cc人気の今こそ人とは違う個性をアピール!
フルサイズと呼ばれる代表をCB125Rとするならば、その全長は2040mm/ホイールベースは1345mmで、レジャーバイクの元祖モンキー125は1710/1155mm。実に全長にして30cm、ホイールベースは20cmも短い。これでちゃんと走るのか?というと…走るのだ、これが。
確かに旧世代の8インチ50ccモンキーを知っている世代なら、このクラスがさほど一般道走行に向いていないことを知っているはず。けれど現在の125ccレジャーバイクのモンキー、GROM、Zの3台は12インチホイールを採用。走りは17インチフルサイズのようにはいかないまでも、長距離ツーリングだって難なくこなせる。
今回は走行距離ざっと100kmのショートツーリング。フラッと走りに行くには物足りない距離だが、レジャーバイクの実力拝見にはピッタリ。
「このサイズでも普通に交通の流れをリードできるんですね」とはGROMを試乗したモデル、大林和恵。小柄な女子に、ミニサイズがよく似合う。
「シートがフカフカだし、思ったよりポジションもキツくなかったです」とは、モンキーで長時間走り切ったwebオートバイ編集部、石神邦比古。
「もう少しペースを上げても平気です。このサイズでも車体がしっかりしていてスポーツ性も高い」とは、Z125を走らせた月刊『オートバイ』誌、竹山健太。
人気上昇中の125ccが、スクーターをはじめ、スーパーカブファミリー、スーパースポーツとカテゴライズされている所に、レジャーバイクもあり、それを選ぶことは個性をアピールすることになる。
みんな同じバイクに乗ってどうする! ライダーは、やっぱり「ひとと違う」個性をアピールして初めて一人前。レジャーバイクに、要注目!
ホンダ「GROM」車両解説・主な装備・スペック詳細
塊感のあるユニークなスタイルの4ミニスポーツ。今年3月から国内でも発売となった今回の新型は、エンジンをロングストローク設定の新タイプに変更、圧縮比をアップしてよりパワフルな仕様になった。これに合わせてミッションもギア比を最適化した5速に変更。マニュアルミッションの楽しさを気軽に楽しめるモデルとなっている。簡単に着脱できる構造の外装でカスタムしやすいのもポイント。
各部装備・ディテール解説
主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 1760×720×1015mm |
ホイールベース | 1200mm |
最低地上高 | 180mm |
シート高 | 761mm |
車両重量 | 102kg |
エンジン形式 | 空冷4ストOHC単気筒 |
総排気量 | 123cc |
ボア×ストローク | 50.0×63.1mm |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力 | 7.4kW(10PS)/7250rpm |
最大トルク | 11N・m(1.1kgf・m)/5500rpm |
燃料タンク容量 | 6.0L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 25°00′ |
トレール量 | 81mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-12・130/70-12 |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 38万5000円(消費税10%込) |