CB-Rシリーズのエントリーモデルとして、2018年にデビューしたCB125Rがモデルチェンジ! 旧型の走りがお気に入りだった伊藤真一さんが、新型の走りの変わった点と、変わっていない点を、ガッツリ深掘りしてチェックしました!
まとめ:宮﨑 健太郎/写真:松川 忍
画像: 伊藤真一(いとうしんいち) 1966年、宮城県生まれ。88年ジュニアから国際A級に昇格と同時にHRCワークスチームに抜擢される。以降、WGP500クラスの参戦や、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。2021年は監督としてAstemo Honda Dream SI Racingを率いてJSB1000、ST1000クラスなどに参戦!

伊藤真一(いとうしんいち)

1966年、宮城県生まれ。88年ジュニアから国際A級に昇格と同時にHRCワークスチームに抜擢される。以降、WGP500クラスの参戦や、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。2021年は監督としてAstemo Honda Dream SI Racingを率いてJSB1000、ST1000クラスなどに参戦!

画像: Honda CB125R 総排気量:124cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 シート高:815mm 車両重量:130kg 2021年モデル発売日:2021年4月22日 税込価格:47万3000円

Honda CB125R

総排気量:124cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:815mm
車両重量:130kg

2021年モデル発売日:2021年4月22日
税込価格:47万3000円

ホンダ「CB125R」インプレ(伊藤真一)

パワー&トルクを増したエンジンと車体のマッチングがさらに良くなった新型CB125R

新型CB125Rの特徴は、旧型ではOHCだった単気筒エンジンが、新たにDOHCになった点です。旧型の2バルブOHC単気筒は、パワー的にはこれくらいのものだろうな…という感じで、パワーに目を見張るということはなかったのですが、気持ちよく回る単気筒で、扱いやすく不満を覚えることもありませんでした。必要十分、という感じでしたね。

新型は4バルブDOHC単気筒を採用していますが、全回転域で馬力とトルクが上がって、スロットルコントロールがしやすくなりました。数字でいうと13から15PSと2馬力の最高出力アップですが、数字から受ける印象以上に馬力とトルクがアップしている感じです。

画像1: ホンダ「CB125R」インプレ(伊藤真一)

旧型をこの連載でテストしたときは、まだ慣らし運転中くらいの走行距離だったこともありますが、回すとフリクションにちょっと負けているなという印象がありました。新型では低回転域から高回転域まで、全域で力強さが増してスロットルのレスポンスも良くなっているので、よりスロットルコントロールで楽しく走れるエンジンになっています。4バルブDOHC化のメリットは、高回転域だけではなく全域にありますね。

今回のテストはwebオートバイの取材も兼ねていて、富士スピードウェイで最高速チャレンジをしました。そのときはレーシングスピードで走らせていたので気付かなかったのですが、やっぱりこのエンジンは公道を走らせているときが一番楽しめますね。高速域だけでなく、低速から中速域まで、このDOHCの良さを公道のほうが全域で楽しめますので。

自分は1980年代の2ストローク125で走りを楽しんでいた世代ですので、4ストロークの125にそんなにスポーツ性を求めたりはしていませんでした。当時、ホンダCB125Tとか、スズキのGN125とかにも乗っていたのですけど、やっぱりスポーツ走行を楽しむなら、2ストロークのカワサキAR125みたいな…。

でも新型のCB125Rは、車格に対してパワーのバランスが良くなって、パワーウェイトレシオ的にも良くなっています。旧型は車格に対しては若干非力なエンジンという印象でもありましたが、新型はなんといったらいいか…車体とエンジンのバランスが良くなって「一体感」が出た印象です。

画像: ▲旧型からの変更点が、新型CB125Rの走りをどう変えたのか…峠を何度も走り込み、伊藤さんは確認していました。

▲旧型からの変更点が、新型CB125Rの走りをどう変えたのか…峠を何度も走り込み、伊藤さんは確認していました。

ショーワSFF-BPフォークの採用によってフロント側の安定感がさらに向上

車体は足まわり含め、1980年代の125スポーツよりグレードがはるかに上がっています。ミッションは結構クロスしていて、スパスパッとギアシフトが入るので操作して気持ちいいですね。試乗前に、エンジン性能が上がったことで新型の走りが良くなることを期待していましたが、実際乗ってみての感想は期待以上でした。

車体に関しては、新型はCB650Rにも使われているSFF-BPフォークを採用したのが最大の特徴ですが、CB125Rの走りのフィーリングにどう影響しているのか? が一番興味がありました。CB-Rシリーズの、125と250の最初期型ではいずれも、リアタイヤのベターっとした接地感が常に得られるのがハンドリングの特徴でした。その後モデルチェンジを受けて、250はフロント側への荷重のかかり方がゆっくりとしたものとなり、オーソドックスなまとまり感のあるハンドリングになっていました。

新型の125も、旧型の125と比べるとハンドリングのフィーリングに変化がありました。ただ、250ほど違いの差は大きくはなくて、リアタイヤの接地感が常に極端に安定していた印象が、半分くらいに薄れたけれど、そのフィーリングはしっかり残っているという感じですね。

新型はSFF-BPフォークを採用したことによって、旧型よりもだいぶダンピングが強く出る感じになっています。フロントブレーキの効きとフィーリングは、旧型のころから非常に良かったですが、新型ではフォークが変わったことで、フロントタイヤの接地感も少し増した感じがしますね。

画像2: ホンダ「CB125R」インプレ(伊藤真一)

新型のCB650Rを旧型と比較したときも同じように感じましたが、サスペンションが速い動きをしたときにちゃんと減衰が効くようになっているので、フロントブレーキをかけたときに途中から減衰力が立ち上がる感じがよくわかり、フロントブレーキがかけやすくなっています。旧型ではちょっとつんのめり気味だったのが、ちゃんと抑えられるようになったので、安定感が増した感じがします。

CB650Rはリア側の減衰がすごく強くて、いろんな重さがバネ下に付いて来て追っかけてくる感じがありましたが、新型CB125Rはコンプレッション側の抑えがしっかりしていて、伸び側も変に引っ張るような感じもなく、よくまとまっていると思いました。

CB-Rシリーズは排気量によってフレームの構造が違いますが、125は高張力鋼管のメインフレームと、高張力鋼板のピボット部とスイングアームの剛性のバランスによって、ハンドリング特性を調整しています。

人間の乗る位置がここだから、ピッチングだけのモーションにならないようにして、荷重が乗ったときに前後のサスペンションがちゃんと沈むようにと、非常に良く考えられて作られていることに感心しています。スイングアームピボット部の、ヨー方向とロール方向のたわみとねじれを、剛性調整で上手くバランスさせているのが、125の車体の大きな特徴です。

気持ちいいハンドリングを生み出す新型CB125Rの車体まわりに感心!

画像1: ホンダ「CB125R」インプレ(2021年)DOHCエンジンと新型フロントフォークの採用で乗り味はどう変わったのか?【ロングラン研究所】

CB125Rのスイングアームはピボット部が結構前にあって、ライダーはスイングアームの上に乗っているようなイメージですね。着座位置が後ろ寄りなのですが、ピボットが作用点になって前後のサスペンションがバランス良く動き、しっかり荷重が乗る。この車体は本当によく作られているなと思います、と伊藤さんは絶賛!

画像2: ホンダ「CB125R」インプレ(2021年)DOHCエンジンと新型フロントフォークの採用で乗り味はどう変わったのか?【ロングラン研究所】

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