現代車らしい作りも生かしつつ系列パーツも活用

ACサンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCMの新作となったZRX1200R。通算製作番号となるシリアルナンバーは528が与えられた。

画像1: 現代車らしい作りも生かしつつ系列パーツも活用

「ZRXとしては約5年ぶりの製作です。同じZRXでも、DAEGは1200Rの後継機ですけれど、両車でスタンスは少し異なると思います。DAEGはFIで、今のZ900RSに近い存在。1200Rはキャブレターで、水冷と空冷とで違いますけど、ゼファー1100の兄弟的、もしくはGPZ900Rに近い存在かなと考えます」とはACサンクチュアリー代表・中村博行さん。

「そうした見地で今回のRCM-528は、これからの見本になるZRXを作ってみようというコンセプトを立てています。これは作ってみたいねとスタッフとも話をして。すると、ニンジャRCMのノウハウがかなり応用できるんです。ハーネス類はニンジャでは後継機用を使ってリメイクしていましたが、その後継機というのがZRXでしたし、エンジン内部も同様です。ZZR(ロッカーアームやピストン)や、DAEG(6速ミッション)のパーツも使える。

こうして改めて当社のオリジナルパーツを見ると結構1200R用を出していたんです(笑)。マフラーにラジエーター、ステム含めたE×Mモードパッケージ、ラジエーター。O・Zホイールも。それぞれ専用設計ですから、RCMでも使っています。

フレームは元々前後17インチホイール用ですからストリート向けとしては補強せず、適度なバランスで、パウダーコートした上で使う。全体としては純正らしい印象が基本で、フェンダーレスキットやシート(ベース側の形状をサイドカバーに合わせるように加工して、内部フォームも盛って整形)も含めて詰めています。ウインカーやカウルもDAEGに換えています。1200RがFIのDAEGになるのでなく、キャブレターのままアップデートしていたら……という作りです」(中村さん)

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DAEG化ではなく、1200Rの現代化。ニンジャRCMを随時アップデートしてきたサンクチュアリーには、的確なテーマでまとめてきた1台か。空冷Zを大事にし、発展させつつも、時代の進んできた他の車両=GPZ900Rや系列のZRXシリーズにも同様のフォローを行う。さらにZマインドを持ったZ900RSも視野にいれ、RCM全体の強化を図る。このZRX1200Rを見ていると、RCMの今後の展開にも期待が高まってくるのだ。

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Detailed Description 詳細説明

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ビキニカウルや前後ウインカーはDAEG純正でスクリーンはアクリポイント製、ミラーはマジカルレーシングのカーボンボディ、NK-1をチョイスする。

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メーターはパネルをワンオフしてスタック製メーター(左=水温計、中央=デジタル速度計&アナログ回転計)/右=燃料計)をセット。

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フロントブレーキ/クラッチのマスターシリンダーはブレンボCNCラジアルで、レバーをZETA RCMコンセプトレバーに変更する。

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シートは本体サイド側のベースを再加工してサイドカバーの縁とラインが合うよう成型し、純正のような統一された均整さも作り出した。

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シャープなデザインのシートカウルはレオパルド製を加工、シートレールはこのカウルを純正のように装着することを考えて加工した。塗装はYFデザインが担当。

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エンジンはオーバーホールを基本に外観はガンコート塗装、クランクはダイナミックバランスとジャーナルラッピング。シリンダーはピストンをZZR1200純正としてφ79×59.4mmのままハイコンプ化。ミッションはDAEG用を使い5→6速化、シリンダーヘッドにもZZR用対策ロッカーアームを組むなど、系列の長所を生かす。ポンピングロス加工やペガサス製バックトルクリミッターなど、現代車らしい仕上げも積極的に行う。

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キャブレターはTMR-MJNφ38mmのデュアルスタックファンネル仕様。メインフレームはパウダーコート仕上げのみで補強等はあえて行っていない。

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スカルプチャー倒立ステムキットSP TYPE-1(オフセット30mm)を使用して、オーリンズ倒立フォークをクランプ(これらをパッケージ化したE×Mモード・パッケージによる)。フロントブレーキはブレンボGP4-RXキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドφ320mmディスクだ。

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スイングアームはスカルプチャー・RCM専用ワイドスイングアーム+ブロックタイプスタビ、リヤショックはナイトロン。前後ホイールはO・Zレーシング・アルミ鍛造GASS RS-AのDAEG用、3.50-17/[純正値:5.50→]6.00-17サイズ。ブラック×ゴールドのドライブチェーンはEK530RCM。

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リヤブレーキキャリパーはブレンボCNC。マフラーはナイトロレーシング・ウエルドクラフトチタン+ヴァリアントサイレンサーをチョイスした。

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ステップはナイトロレーシング。フレームは同店が得意とするZ系と違い元から現代の17インチ対応なので、シートレール部以外無加工。チェーンのみ5mmオフセットしてある。

取材協力:ACサンクチュアリー(SANCTUARY本店)

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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