カワサキ「Z650RS」の特徴
カワサキが日本時間の9月27日22時、ヨーロッパのwebサイトでミドルサイズの新たなネオレトロ・ネイキッドスポーツ「Z650RS」を正式に発表した。
カワサキZシリーズのルーツである往年の名車・Z1のイメージを現代的なメカニズムと融合させ、世界中で人気となった「Z900RS」と同様の手法で開発された「Z650RS」。
そのモチーフとなったのは、1976年にデビューした「Z650」だ。900ccという大排気量のパワーによって豪快な走りを実現したZ1とは異なり、652cc空冷直4エンジンとコンパクトな車体のバランスの良さによって軽快な走りを実現した「Z650」。その俊敏な走りから、風を切る擬音「ZAP」に由来する愛称「ザッパー」と呼ばれ、走りにこだわる多くのライダーから支持された。
そんな「Z650」の70年代的な雰囲気のスタイルと、キビキビとした活発な走りを現代に再現しようと開発されたのが今回登場した「Z650RS」ということになる。
兄貴分の「Z900RS」が、スーパーネイキッド・Zシリーズのベーシックバージョン「Z900」のメカニズムをベースに開発されたように、「Z650RS」のベースとなったのはZシリーズのミドルレンジモデル「Z650」。スタイリングモチーフである1970年代の「Z650」が並列4気筒エンジンだったのに対し、現代のモデルである「Z650RS」は「Z650」ベースの並列2気筒エンジンを採用している。
4気筒と2気筒というエンジン形式の違いこそあれど、軽量・コンパクトなボディと、扱いやすいパワフルなエンジンが生み出す、俊敏なフットワークは共通の魅力であり、かつて多くのライダーに愛された「Z650」を想わせる「カワサキらしいDNA」と言えるだろう。
180度クランクを採用した649cc水冷並列ツインは最高出力は68PSとベースモデルの「Z650」のまま。しかし電子制御デュアルスロットルバルブの微妙な領域での制御を煮詰めることで、中低域の力強さや素早いレスポンスを実現。日常的な速度域でのパワフルさと、気持ち良い加速フィーリングを実現している。
「Z650」譲りのスチール製の軽量なトレリスフレームを活かし、コンパクトなサイズで車重も187kgと軽く仕上がっている。自然で快適なポジション設定と合わせて軽快な走りを実現。前後ホイールはZ900RSと同パターンのマルチスポークタイプだ。
このモダンな車体のメカニズムに、美しい曲線で構成された燃料タンク、コンパクトだが印象的なテールカウル、「Z650」を再現したボディカラーなど、70年代らしい雰囲気満点なスポーティでカジュアルなスタイリングを合体。サイドカバーは今回新デザインとなり、Z900RSとは違う形状となった。
LEDヘッドライトや液晶多機能メーターを違和感なくマッチさせている造りは「Z900RS」と同様だ。メーターは砲弾型の2眼式で、中央に二重ラインで円の描かれたそれぞれの盤面の文字の書体は現代のカワサキ車らしいモダンなもの。中央部には反転表示の液晶マルチモニタも備わる。
カワサキ「Z650RS」のカラーバリエーション
欧州では、カラーバリエーションは3色発表された。国内仕様車に関するアナウンスは、9月27日現在の時点ではないが、2022年のニューモデルとして販売されることを期待したい。
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カワサキ「Z650RS」の主なスペック
このスペックは欧州仕様車
全長×全幅×全高 | 2065×800×1115mm |
ホイールベース | 1405mm |
最低地上高 | 125mm |
シート高 | 820mm |
車両重量 | 187kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 649cc |
ボア×ストローク | 83.0×60.0mm |
圧縮比 | 10.8 |
最高出力 | 50.2kW(68PS)/8000rpm |
最大トルク | 64N・m(6.5kgf・m)/6700rpm |
燃料タンク容量 | 12L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17M/C (58W)・160/60ZR17M/C (69W) |
ブレーキ形式(前・後) | Φ300mmダブルディスク・Φ220mmシングルディスク |
まとめ:小松信夫