NinjaやZRXに通じる車両感覚を生かしてパーツも製作

タイガーパターンをアレンジしたカラーで美しく塗り分けられたZ900RSのカスタム。足まわりの変更を主に、ダウンチューブなど、目新しいパーツも備えている。

画像1: NinjaやZRXに通じる車両感覚を生かしてパーツも製作

「当社コンプリートカスタムのRCMにするんです。シリアルナンバーは534。この状態はまだ5割の出来ですけど。Z900RSは次の世代のニンジャだと思ったんですよ。私たちがニンジャ、GPZ900RのRCMを作り始めた2002年頃は、まだ車両が新車で販売されていました。その時に、素性がしっかりしていて魅力のあるバイクを元に、走りの性能を高めたり、カスタムらしい作りを加えるということを考えてRCM化したんです。

その後ニンジャは生産終了して、RCMニンジャの立ち位置や作業内容は変わりましたけど、17インチ化やフレームへのダウンチューブ追加なども行い、魅力を高められた。空冷Zの場合はフレームやエンジンから見直す、つまり素性をしっかりさせることが必須。この点が違うんですね。なのでZ900RSにはニンジャが近いと。ゼファーやZRXをベースにした時も同様でした」(中村さん)

確かに、RCMが確立した当時はニンジャは現役。そんな現役車両に、カスタムで機能やルックスを高めていった。それと同じということだ。

「Z900RSをRCM化するに当たって、何が必要か。車両の各部を調べて、どうすると楽しくなるか、所有感が高まるかを考えました。パーツも多くのショップさん、メーカーさんがたくさん出してますし、ウチはその意味では後発。ですから、まあ好きにやってみよう、いちプロショップとして車両に向き合い、格好いいカスタムを作ろうと取りかかりました」(同)

2020年後半には作業に着手。前後サスやブレーキまわりはRCMクオリティで構築するとして、ほかに何ができるかを考え、ダウンチューブや、オーリンズ倒立フォークをベースにしたE×Mパッケージ、スイングアームなどといったパーツを新作。この車両はその開発ベースでありつつ、完成時にはそれらが装着される。どれも気になるが、いわゆるショートパーツやドレスアップ系パーツはなさそうだ。

画像2: NinjaやZRXに通じる車両感覚を生かしてパーツも製作

「そこは既に多くがリリースされていますし、それぞれのオーナーさんが好きなものを選べばいいと考えています。私もこのカスタムを作って、どんどん形が変わって完成形に近づくのがとても楽しかった。そんな、1台のカスタムを仕上げる楽しみがZ900RSにはありました。ノーマルは良くできているんですよ。エンジンはコンパクトだし、基本のジオメトリーも今のスポーツモデルそのもの。フレームのヘッドパイプも大容量ベアリングを使っていたり。ただ、ツアラーネイキッド的な印象が強かったので、そこは変えたかった。空冷Zに寄せることも考えてなくて、Z900RSのスタイルのままでスポーツ性を高めようと思いました。それでこうなったんです」

完成の暁にはRCMしてのオーダーも受け付け、各パーツも、ボルトオンの製品として秋をめどに随時発売するという。コンプリートとして、またパーツとしてのリリースを、楽しみに待とう。

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Detailed Description 詳細説明

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ハンドルバーはデイトナによる新作「RCM concept LOWハンドル」で、Z900RS・RCMだけでなく多くの車両に使えるパーツとして、今までRCMに多く使ってきたものよりわずかに高く、わずかに絞って現代ネイキッド的なポジションと扱いやすさを得ている。

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「オーリンズE×Mパッケージ」はフロントまわりのオールインワンパッケージ。Z900RSのノーマルフロントフォーク(写真はステム部)は一般的なネイキッドが使う800mmより長いのにヘッドパイプ位置が低い設定となっている。そのため、760mm長のFGR T200フォークを使い、ディメンションを維持しつつ適度なフロント荷重を与えるようなウイング角を抑えたトップブリッジ/ステムをデザインした。

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Z900RSの鋼管トレリスフレームはいわゆるダイヤモンドタイプで、エンジンを背面から支えている。そのエンジンを前側/下側からもサポートできるようにとダウンチューブを作製。写真はそのゲージとして作られたプロトタイプ品だ。

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左側ダウンチューブの製作途中状態。メインはこの7N01材製角パイプで、フロント側とピボット下の接続部には7N01削り出しピースを使い、両者をラグ合わせ(差し込み)した上で溶接。適度な補強として、大容量ラジエーターのマウントベースとしても機能させる。

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前後ホイールはO・Zレーシング製アルミ鍛造GASS RS-Aでリヤショックはオーリンズ。スイングアームは現状でノーマルだが、オリジナルのZ5Xアルミ目の字断面押し出し材によるスカルプチャー・スイングアームが完成次第マウントされる。これも10月頃がめどという。

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既に製品として展開中のウェルドクラフト チタン3Dマフラーを装着。今後車検対応品を製作することも視野に入っているとのことだ。

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ステップも現在販売中のナイトロレーシング バックステップ Z900RSを装着。こうしたパーツの存在もZ900RS・RCM化計画を後押しした。

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フェンダーレスキットは何度かのデザイン変更(中には完成直前で中村さんが“ここで妥協してはいけない”と最終段階で変えたものも)を受けてこの形状となり、これも市販予定。シートもRCMコンセプトCOZYシートとしての市販化に向けて形状と素材を検討中だ。

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外装類はZ900RSそのままで、赤タイガーカラーをモチーフにYFデザインでペイント。カスタムマシンらしさと上質さを強調する。

取材協力:ACサンクチュアリー(SANCTUARY本店)

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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