文:オートバイ編集部
ホンダ「ファイアーブレード」の歴史
スポーツランの喜びを追い求め続けた30年
スポーツライディングを堪能し、公道で「いい汗をかく」ためのバイクとして誕生したファイアーブレード。世界中を驚嘆させ、数多くのファンを生み出してきた名車は、たゆまぬ改良を続けながら、時代とともに進化してきた。いつしか200PSの大台を突破し、その性能を楽しむ舞台はサーキットメインへと移ったが、パワーと軽さのハーモニーが生み出す「トータルコントロール」の美学は絶えず追求され続けている。
CBR750RR
開発スタートは750ccから!
CBR900RRのルーツとされるのが、このCBR750RR。写真のように市販車同然のプロトタイプまで完成していたが、当時のメインモデルだったVFR750Rが圧倒的なパフォーマンスを誇っていたこともあって開発は中止に。しかし、これをベースに後年900RRが誕生する。
CBR900RR 1992
世界を驚嘆させた“スーパースポーツ”誕生!
トータルコントロール=操る楽しみの最大化をコンセプトにデビュー。893cc/124PSのエンジンに185kgという軽さの車体を組み合わせ、大型スポーツモデルの概念を覆す軽快なハンドリングでスーパースポーツの新基準を打ち立てた。
CBR900RR 1994
アクリルカバーの付いた「タイガーアイ」と呼ばれるマスクにフェイスリフト。フルアジャスタブルフォークも採用された。
CBR900RR 1996
排気量は1mmボアアップして918.5ccとなり、4PSアップの128PSに向上。乾燥重量は183kgと初代から1kg軽量化された。
CBR900RR 1998
フロント16インチ最終モデル。80%以上のパーツを新作し、乾燥重量は180kgを達成。スタイリングも洗練されたものとなった。
CBR900RR 2000
ヤマハのYZF-R1に対抗するため大胆に進化。929ccエンジンはFI採用で152PSを発揮。乾燥重量は170kgと大幅減。北米仕様の名称は929RR。
CBR954RR 2002
このモデルから国内仕様も登場。排気量は954ccに拡大。最高出力は151PSだが乾燥重量は168kgに減量され、扱いやすさを増した。
CBR1000RR 2004
スーパーバイクレースの排気量拡大に合わせレースも視野に全面刷新。998cc/172PSに装備重量210kg。マフラーもセンターアップに。
CBR1000RR 2006
2004年モデルをベースに大幅なシェイプアップを敢行。エンジンも吸排気系をメインにリファインし、中低速トルクを増強させた。
CBR1000RR 2008
センターアップマフラーを廃止、スタイリングもマスの集中化を狙ったものに変更。出力は178PSに向上し、車重も199kgに軽量化。
CBR1000RR 2012
20周年の節目の年にビッグマイナーチェンジ。BPFフォークやBFRサスを採用、外装、メーターやホイールも新デザインとなった。
CBR1000RR SP 2015
前後オーリンズサス採用のシングルシーターモデルが登場。以降、上級仕様のSPとSTDというグレード構成になる。
CBR1000RR SP 2017
基本は先代を踏襲。スタイリングはよりシャープになり、電子制御で出力は192PSに大幅アップ。ホモロゲ用の「SP2」も登場した。
CBR1000RR-R 2020
MotoGPマシン・RC213Vで培ったノウハウを投入してサーキットをターゲットに完全新設計。パワーもクラストップの218PS。
文:オートバイ編集部