ロングボディも自然になじませて好印象を作る

燃料がキャブレターから送り込まれ、エンジンで燃やされて後軸に伝わり、仕事をしている。そんな感触が回転上昇やスロットルフィーリングから感じられる……。現代車と異なる’80~’90年代モデルの魅力としてよく挙げられる点だ。このVMAXのオーナー・吉田さんも、そうした魅力を感じてきたひとりだ。

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「ZZR1100などカワサキ車にずっと乗ってて、しばらくバイクから離れていたんです。改めてバイク乗るようになって、輸入車やFIモデルにも乗りましたけど、何だか物足りない。そのうちに私の仕事のお客さんとしていらっしゃった方がカスタムショップをやっているということだったのでお話して、これに行き着いたんです」

そのショップとは、VMAX(1200)という車両から分かる通りに、エスパー。お客さんとはその代表、小宮さんだった。

車両を見つけたら持ってきてくださいという小宮さんの話に従って吉田さんは車両を手に入れた後にエスパーに持ち込み、小宮さんがまずフレームとエンジンをチェック。今となってはなかなかまともなものがないというフレームも、独自のノウハウで足まわりと合わせてセットアップ。前後17インチホイール化も行い、今風の乗り味も取り込んでいる。

その上で注目したいのは、すっとスマートなスタイル。こだわりのニッサンGT-R用パープル(夜はブラックに見える)で仕立てられたボディもこれを引き立てる。実はスイングアームが120mmほど伸ばされているとのことで、それも効いているのだろう。

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「今は峠をガンガン攻めるというのでもないですけど、この車両はスリムで取り回しもいいし、普通に走って使うにはとても良く仕上がっていると思います。実際に気持ち良く走らせられてますし」

吉田さんのこの言葉からは、冒頭のような’80~’90年代フィールを感じつつ楽しんでいる様子がよく分かる。長年VMAX扱ってきたからこその勘所を、しっかりと作り込む。お互いにいいお客さんとショップであるという関係は、今後も続くはずだ。

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外装はビキニカウルを追加した上でニッサンGT-R用純正のパープルでオールペイントされる。日が当たるとこのタンクカバーのように深みのある紫、暗いところではブラックにと表情を変える塗装だ。左右マスターシリンダーはニッシン・ラジアルポンプに換装した。

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中央配置のエンジン回転計はPivotステッピングメーターに換装、アクティブデジタルモニター×2やデイトナ・アクアプローバを追加している。

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ステップはESPER製で、ノーマルではやや前のステップバー位置は、通常のスポーツバイクと同様な位置まで後退させて操作性を高めている。

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アクティブ・アルミニーグリッププレート/サブフレームや、ラジエーターカバー/ダクトカバー等のアルミパーツで外観の統一感も出す。

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DOHC4バルブの1199cc・70度V4エンジンやBDS35×4のキャブレターなどは状態が良く、ノーマルそのままで使ったもの。ダイナモカバーはOVER製だ。

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フロントフォークはSOQI倒立、フロントブレーキキャリパーはヤマハ系のスミトモ対向4ピストン。ペータルディスクはブレーキング製をチョイスする。

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ホイールはアルミ鍛造のゲイルスピードTYPE-Cでサイズは[純正値:2.50-18/3.50-15→]3.50-17/5.50-17に。リヤショックはオーリンズだ。

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マフラーはSP忠男スーパーコンバット・ツーテール。延長スイングアームに合わせてロングテールカウルも装着され、自然な印象だ。

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シャフトドライブはそのままにスイングアームは120mm延長加工され、直進安定性も高めつつスムーズなハンドリングも得ている。

取材協力:エスパー

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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