文:宮崎敬一郎、太田安治、中村浩史、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、赤松 孝
ヤマハ「YZF-R7」
スポーツマインドはあっても、スーパースポーツでサーキット、というところまでは踏み込めないライダーにとって、このYZF-R7は最高の相棒。シリーズ随一のスリムな車体と扱いやすいエンジン、素直なハンドリングは、ライダーのスキル次第で楽しみ方を大きく広げてくれる。スポーツバイク初心者にも優しい1台。
MT-07というベースモデルはあるが、スーパースポーツ化にあたってヤマハはシャシーを大きく改良。フレームのピボット部を補強、フロントフォークは倒立としフォークオフセットを変更。リアサスもジオメトリーとセッティングを変更している。エンジンは基本的にMTそのままで、電子制御の類は搭載せず、シンプルな構成としたのに加え、外装関係にYZF-R6のパーツを一部流用してコストダウンも図っている。
【注目の装備】
・LEDヘッドライト
・ギアポジションインジケーター
・アシスト&スリッパークラッチ
・Fラジアルマスターシリンダー
ホンダ「CBR650R」
ワインディングからツーリングまでオールマイティにこなせ、胸のすくような直4フィールも楽しめる満足度の高いモデル。ホンダ車ならではの魅力が輝く1台で、幅広い層のライダーに愛されている。
いまやクラスでも貴重な存在となってしまった直4ユニットがCBR650R最大の武器にしてチャームポイント。本格SSのCBR600RRより若干楽になったライポジに若干ソフトめの足回り、広めの座面を持つシートなど、スポーツモデルではあるが、オールラウンドに楽しめる仕立てとなっている。トルクコントロールのHSTC、スリッパークラッチは装備するがそれ以外の装備面は意外とシンプル。
【注目の装備】
・LEDヘッドライト
・ギアポジションインジケーター
・トラクションコントロール
・アシスト&スリッパークラッチ
カワサキ「Ninja650」
街乗りを含めた普段使いでは最も優しい1台。180度クランクのパラツインは回せば爽快で、ワインディングも満喫できる。価格も4車中最もリーズナブルという、まさしく等身大のスポーツモデル。
4車中最もスタンダードスポーツ的な立ち位置にあるニンジャ650は、幅広い層のライダーに対応するコンパクトな車体とアップライトなポジション、低いシート高がポイント。装備面はシンプルで、走りに関する注目アイテムもアシスト&スリッパークラッチぐらい。このクラスではスタンダードレベルだが、実用性の高さとロングランも苦にならない快適性は大きな魅力。
【注目の装備】
・LEDヘッドライト
・ギアポジションインジケーター
・アシスト&スリッパークラッチ
・スマホコネクト機能
アプリリア「RS660」
リッタースーパースポーツにためらいのあるライダーにとっての「憧れの一台」。最新の電子制御に強力なエンジン、豪華装備に個性的なスタイリングと、所有感はこのクラスでダントツ。走りもなかなか刺激的。
オールラウンド型ではなくピュアスポーツ志向のモデルという点で、YZF-R7に最も近いライバルはこのRS660ということになるが、こちらはアルミフレームに電子制御全部入りという、イタリア車らしい「本気印」のスーパースポーツ。それだけにワインディングでの楽しさは群を抜いているが、ライポジが案外きつくなかったりして、思いのほか実用性も高いのがポイント。価格は高いが装備を考えれば納得できるレベル。
【注目の装備】
・パワーモード
・トラクションコントロール
・ウイリーコントロール
・エンジンブレーキコントロール
・クイックシフター