Z1に追いつけと強力なライバルたちが登場する中、カワサキは斬新なコンセプトのZでまたも世界の度肝を抜く。それが角形のフォルムを持った精悍なカフェレーサー、Z1-Rである。その美しさは45年目を迎えた今でも色褪せない。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、鶴見 健
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、鶴見 健
カワサキ「Z1-R」解説
シャープなスタイリングでZのイメージを変えた1台
900SUPER4(Z1)が切り開いたZシリーズの歴史に新風を吹き込んだモデルがこのZ1-R。強力な性能を持ったライバルたちに追い上げられていたカワサキが放った「次の一手」である。
何よりも世界を驚かせたのが、その斬新なスタイリング。優美な曲線基調だったそれまでのZ1系のフォルムから一転して、スリムでエッジの効いた角形のフォルムを採用。「R」の名の通りレーシーなイメージコンセプトで、端正なビキニカウルを装着、当時流行していたカフェレーサー風に仕立てた。
このデザインは当時さまざまな議論を呼んだが、メインターゲットであった北米からは賞賛され、後のカワサキ車のスタイリングにも大きな影響を与えることになる。
エンジンは吸排気系を一新してカワサキ初の集合マフラーも装備。90HPという高出力で、パフォーマンスも一線級だった。
カワサキ「Z1-R」ライディングポジション・足つき性
シート高:815mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
スポーツイメージの濃いZ1−Rだが、意外にアップライトなポジション。ビキニカウルの効果で高速クルージングも楽だった。
カワサキ「Z1-R」各部装備・ディテール解説
カワサキ「Z1-R」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2160×800×1295mm |
ホイールベース | 1505mm |
最低地上高 | 125mm |
シート高 | 815mm |
車両重量 | 246kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1016cc |
ボア×ストローク | 70×66mm |
圧縮比 | 8.7 |
最高出力 | 90HP/8000rpm |
最大トルク | 8.7kgf・m/7000rpm |
燃料タンク容量 | 13L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 26.0゜ |
トレール量 | 85mm |
タイヤサイズ(前・後) | 3.50H-18・4.00H-18 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ296mmダブルディスク・Φ290mmディスク |
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、鶴見 健