文:太田安治、オートバイ編集部/写真:鶴見 健
カワサキ「Z1000 MK.II」解説
エンジン、車体を刷新しパフォーマンスを向上
Z1が登場してからしばらくの間、Zシリーズは排気量の拡大こそあったものの、基本設計はZ1のものを引き継ぎ、大きな変更は受けてこなかったが、1979年にエンジン、車体ともに大きな手直しを受けることになる。それがZ1000MK.Ⅱだ。
エンジンはボア・ストロークこそZ1000と同様だったが、ピストンやクランクなどのムービングパーツを一新。トランジスタ点火やキャブレターの変更なども相まって、パワーは実に93HPに向上。これに合わせて車体も強化、フレーム剛性もアップされている。
外装面も大きく進化した。前年に登場した派生モデルのカフェレーサー、Z1-Rの流れを汲んだ角形フォルムを採用し、それまでのZとは違う魅力をアピールした。強力なライバルの台頭でモデル寿命こそ短かったが、今なお熱烈なファンを持つ名機だ。
カワサキ「Z750FX」
国内では750FXが登場!
Z2直系であるZ750Dの後を受け、1979年に国内向け750ccモデルとして登場。エンジンや車体はZ750Dベースだが、Z1000MK.Ⅱとほぼ共通の外装によってイメージを一新。ただ、性能的には強力なライバルたちに一歩譲り、Z650から発展したZ750FXⅡに取って代わられた。
カワサキ「Z1000 MK.II」ライディングポジション・足つき性
シート高:815mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
Z1のハンドルを低く、幅を詰めたようなポジションは現在のネイキッドスポーツと同じ。左右ステップ幅が広めで足つき性は良くない。
カワサキ「Z1000 MK.II」各部装備・ディテール解説
カワサキ「Z1000 MK.II」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2180×900×1180mm |
ホイールベース | 1490mm |
最低地上高 | 155mm |
シート高 | 815mm |
車両重量 | 245kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1016cc |
ボア×ストローク | 70×66mm |
圧縮比 | 8.7 |
最高出力 | 93HP/8000rpm |
最大トルク | 9.1kgf・m/7000rpm |
燃料タンク容量 | 17.8L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 26.0゜ |
トレール量 | 87mm |
タイヤサイズ(前・後) | 3.25V-19・4.00V-18 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ296mmダブルディスク・Φ290mmディスク |
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:鶴見 健