文:オートバイ編集部/写真:西田 格
カワサキ「ゼファー1100」解説

Kawasaki ZEPHYR1100
総排気量:1062cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
車両重量:243kg
伸びやかで大型車らしい魅力的なフラッグシップ
750ccまでと決められていた、自主規制による国内販売の排気量上限が撤廃されたタイミングで、ゼファーシリーズに新たなフラッグシップモデルが誕生する。それが1992年登場のゼファー1100だ。
ゼファー750より伸びやかで雄大になったボディは、当時のユーザーが求めていた「ビッグバイクらしさ」を訴求するのに十分なもの。とはいえ、ゼファーシリーズらしく、往年の空冷Zをオマージュした、曲線基調のボディデザインはしっかり継承されていた。
搭載される空冷エンジンはGPz系のものではなく、グランドツアラーのボイジャーⅡの水冷4気筒エンジンをわざわざ空冷にリメイクした新作ユニットを採用。これを新設計のダブルクレードルフレームに組み合わせた。その完成度の高さは、ゼファーの魅力の集大成と言うのにふさわしい内容だった。
ゼファー1100RS

1996年にはスポークホイールを装着して、一層Z2的な雰囲気が強まったゼファー1100RSが登場。2003年まで販売された。
カワサキ「ゼファー1100」各部装備・ディテール解説

大型ツアラー・ボイジャーⅡの水冷直4エンジンをベースに、空冷直4に仕立て直した。排気量1062ccのツインプラグ、DOHC2バルブエンジン。

RSではないスタンダードなゼファー1100は、独特な5本スポークデザインのキャストホイール。ホイール径はフロント18インチ、リア17インチ。

アルミ製スイングアームのアクスルアジャスターはエキセントリック式。リアブレーキはΦ240mmローターに対向4ポットキャリパー。

リアサスペンションはもちろんZ2と同じくツインショック。ユニット自体はモダンなリザーバータンク付きのものだ。

メーターのデザインや配置など、ゼファー750のものと基本的に共通のアナログ2連メーターが装着される。

ゼファー1100の燃料タンクもZ2のイメージを感じさせるデザインだが、こちらは専用品。サイズが大きく、容量も19L。

サイドカバーのデザインはZ2自体とは全く違うが、エンブレムのデザインなども含め雰囲気自体は近いものを感じる。

シートの形状や表皮デザイン、独特なテールカウルの形状など、究極のゼファーにふさわしいZ2らしさ満点のデザイン。
カワサキ「ゼファー1100」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2165×780×1115mm |
ホイールベース | 1495mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 795mm |
車両重量 | 243kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1062cc |
ボア×ストローク | 73.5×62.6mm |
圧縮比 | 9.1 |
最高出力 | 93PS/8000rpm |
最大トルク | 9.1kgf・m/7000rpm |
燃料供給方式 | CVK34キャブレター |
燃料タンク容量 | 19L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27゜ |
トレール量 | 110mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-18・160/70-17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ310mmダブルディスク・Φ240mmディスク |
文:オートバイ編集部/写真:西田 格