ゼファーシリーズのフラッグシップ、ゼファー1100はビッグバイクへの憧れを具現化したモデル。ゼファーシリーズの美点を継承した優美なフォルムのボディと新開発の空冷ユニットの組み合わせで、15年もの間愛され続けるロングセラーとなったのだ。
文:オートバイ編集部/写真:西田 格
文:オートバイ編集部/写真:西田 格
カワサキ「ゼファー1100」解説
伸びやかで大型車らしい魅力的なフラッグシップ
750ccまでと決められていた、自主規制による国内販売の排気量上限が撤廃されたタイミングで、ゼファーシリーズに新たなフラッグシップモデルが誕生する。それが1992年登場のゼファー1100だ。
ゼファー750より伸びやかで雄大になったボディは、当時のユーザーが求めていた「ビッグバイクらしさ」を訴求するのに十分なもの。とはいえ、ゼファーシリーズらしく、往年の空冷Zをオマージュした、曲線基調のボディデザインはしっかり継承されていた。
搭載される空冷エンジンはGPz系のものではなく、グランドツアラーのボイジャーⅡの水冷4気筒エンジンをわざわざ空冷にリメイクした新作ユニットを採用。これを新設計のダブルクレードルフレームに組み合わせた。その完成度の高さは、ゼファーの魅力の集大成と言うのにふさわしい内容だった。
ゼファー1100RS
カワサキ「ゼファー1100」各部装備・ディテール解説
カワサキ「ゼファー1100」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2165×780×1115mm |
ホイールベース | 1495mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 795mm |
車両重量 | 243kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1062cc |
ボア×ストローク | 73.5×62.6mm |
圧縮比 | 9.1 |
最高出力 | 93PS/8000rpm |
最大トルク | 9.1kgf・m/7000rpm |
燃料供給方式 | CVK34キャブレター |
燃料タンク容量 | 19L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27゜ |
トレール量 | 110mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-18・160/70-17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ310mmダブルディスク・Φ240mmディスク |
文:オートバイ編集部/写真:西田 格