文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年5月11日に公開されたものを転載しています。
5月2日にティーザー動画を公式YouTubeチャンネルに公開
ライブワイヤーが現行機種のS1・・・ライブワイヤー ワンよりも、軽量小型なミドルウェイト級の安価な新型車を開発していることは、すでに2020年春の投資家向け資料のなかで明らかにされていました。そして2021年12月、ライブワイヤーのIPO=新規株式公開と、台湾最大の2輪ブランドであるキムコとのパートナーシップ締結を発表した際も、ミドルウェイト級新型車のライブワイヤーS2(システム2)と、同車に採用されているアローアーキテクチャの仕様を公開しました。
2022年5月2日、ライブワイヤーはとても興味深い15秒のティーザー動画を公式YouTubeチャンネルに公開しました。序盤に登場するのは、ハーレーダビッドソンのファクトリー・フラットトラッカーがAMA(アメリカン・モーターサイクリスト・アソシエーション)イベントでカリフォルニア州デル・マーのレーストラックで疾走するシーン。そして後半は、「The Next Victory Lap」というコピーとホンの一瞬だけ「新型車」の一部が見える・・・という内容です。
そして動画の最後には、「5月10日」に新型車デル・マーに関する発表があることを示すURLが表示されていたのですが、その予告どおりにライブワイヤーは限定100台のS2 デル・マー ローンチ・エディションを公開したわけです。
定格出力は80馬力(60kW)で、航続距離は100マイル≒160km
S2 デル・マー ローンチ・エディションは、すでに公表済みのアローアーキテクチャの仕様どおりの造りになっています。バッテリーケースにフレームの役割も担わせており、インバーター、コントローラー、オンボード充電器などの主要部品を単一ユニットに統合しています。なおオンボード充電器はAC充電のレベル1および2に対応していますが、DC急速充電には未対応です。
出力軸が横置きの電気モーターは定格80馬力(60kW)で、これは現行機種のライブワイヤー ワンよりも約2割少ない出力ですが、車重については420ポンド≒190kgと、ライブワイヤー ワン比3/4の軽さにおさまっています。
なおS2 デル・マー ローンチ・エディションはコネクテッド技術もその特徴のひとつで、GPSとスマートフォン接続機能を内蔵しています。この技術によって、新しいソフトウェアのアップデートは無線で可能になっています。
S2 デル・マーの一般市販版は、2023年第2四半期から販売?
先述のとおり、限定100台のS2 デル・マー ローンチ・エディションは公開後すぐにソールドアウトとなってしまい、入手したい人は現在キャンセル待ち状態になってしまいました。しかしライブワイヤーは、一般販売仕様のデル・マーは2023年第2四半期から、限定版より安価な1万5,000ドル≒195万6,000円で販売することを目標にしている・・・と公表しています。
目標ということで、今のところは発売時期も価格についても未定・・・ということですが、 おそらく限定版より安価な設定になるのは確実でしょうから、その公表を楽しみに待ちたいです。
またライブワイヤーは、S2 デル・マーに続く新型車・・・アローアーキテクチャをスケールダウンしたプラットフォームを採用する予定の、ライトウェイト級モデルのS3(システム3)の開発を鋭意進めていることを明かしています。
S3はパートナーシップを結んだ台湾のキムコの、小型2EV技術が活用されることが予想されていますが、こちらもS2 デル・マーの一般販売版同様にどのような仕上がりになるのか興味深いです。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)