文:河野正士/写真:松川 忍
ハーレーダビッドソン「ナイトスター」特徴
誰もが待っていた新世代スポーツスター
これこそが、スポーツスターの真の継承者だ。ハーレーダビッドソン(以下H-D)の新型車「ナイトスター」は、フロント19インチ/リア16インチのホイールサイズ、ピーナッツタンク(実際にはエアクリーナーカバーとなったが)、リア2本サスペンションというスポーツスターを象徴するディテールを採用。
くわえて、可変バルブタイミング機構を搭載した、新世代H-Dを象徴する水冷Vツインエンジン/レボリューションマックス975Tを搭載。先に発売したスポーツスターSやパンアメリカ1250から排気量こそ小さくなったが、その先進性は変わらず、かつスポーツスターらしさを強めている。
この発表をもってH-Dは、2018年に公開した、2022年までの中長期経営戦略「MoreRoad」に組み込まれた新世代H-Dモデルの市場投入プランを終えたことになる。この中長期経営戦略は何度か修正が加えられているが、その根幹であるパンアメリカとスポーツスターSをすでに市場投入し、その新世代H-Dは市場の反応/セールスともに好調である。そして登場した「ナイトスター」は、その経営戦略の真打ち的存在だ。日本市場の反応が楽しみである。
スポーツスター的スタイルに合わせディメンションを変更
「ナイトスター」は、その基本骨格を先にH-Dが発売した「スポーツスターS」と共有している。ボアストロークを変更し、排気量1250ccから975ccへと縮小しているが、可変バルブタイミング機構付き挟角60度のDOHC水冷V型2気筒エンジンサイズはほぼ同じ。そのエンジンをフレームのメインメンバーとし、そのシリンダーからステアリングヘッドを持つフロントフレームや、リアサスペンションを支えるリアセクションを配置している。
大きく異なるのはフロントのホールサイズとそれを支えるサスペンション、そしてリアのサスペンション方式だ。フロントは19インチホイールを装着し、トップブリッジとアンダーブラケットのオフセット量を変え、トレール量を減らしている。リアはスイングアーム形状と長さを変更、2本ショックとしている。スイングアーム長を伸ばしてホイールベースが伸び、安定指向が強くなっているところに、すこしクイックなハンドリングを与えてバランスを取っている、と想像する。車重はスポーツスターSより7kgも軽い。
ハーレーダビッドソン「ナイトスター」カラーバリエーション
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ハーレーダビッドソン「ナイトスター」ライディングポジション・足つき性
シート高:705mm
ライダーの身長・体重:186cm・81kg
ナイトスターのシート高は705mm。新型スポーツスターSはシート高765mm。またシート高が低いことで知られる、OHVエンジン搭載の旧スポーツスター・フォーティエイトもシート高710mmであることから、その低さがよく分かる。サイドスタンドから車体を起こしたときの軽さも素晴らしい。