まとめ:オートバイ編集部
BIG-1コンセプトを引っ提げた新星の誕生
1989年にカワサキから登場したゼファーは400ccスポーツクラスに新風を吹き込んだ。手に余らない性能と、飽きの来ないクラシカルなスタイリングが、レプリカマシンに疲れたライダーたちの心を捉えたのだ。
当時ホンダはこのクラスにCB-1を投入していたが、CB-1はゼファーとは異なり、CBRの血を引く走りが自慢のスポーツネイキッド。「ネイキッド」というカテゴリー自体が完全に形成されていなかった当時では、いささか先を行き過ぎたモデルだった。
そんな反省や市場のリクエストもあり、1992年にいよいよCB400スーパーフォアが産声を上げる。同じ「プロジェクトBIG-1」の1000より早く市場に出たのは、ゼファー追撃の意味もあったが、BIG-1コンセプトを販売台数の多い400クラスで先に浸透させる役割もあったようだ。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR」(1992年)

Honda CB400 SUPER FOUR
1992年
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:399cc
最高出力:53PS/11000rpm
最大トルク:3.7kg-m/10000rpm
車両重量:192kg
シート高:770mm
燃料タンク容量:18L
タイヤサイズ:110/70-17・140/70-17
当時税別価格:58万9000円(ソリッドカラー)/59万9000円(2トーンカラー)
「プロジェクトBIG-1」コンセプトの第一弾として1991年の東京モーターショーに参考出品されたCB1000SFのイメージを持つ新型400スポーツとして、1000より先の1992年4月に発売。ボリューム感のある象徴的なタンクを備えた抑揚の効いたフォルムに、カムギアトレーンを排したCBR400RR系のエンジンを搭載。飽きの来ないデザインと爽快なパフォーマンス、実用性の高さで大ベストセラーとなった。

当時のデザインスケッチ。CB1000SFの面影を色濃く残していることが、テールカウルまわりの処理が窺える。

CBR400RR系のユニットをベースに、低中域寄りにリファイン。ダミーフィンも付き、外観も精悍。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR」(1994年)

当時税別価格:58万9000円(ソリッドカラー)/59万9000円(2トーンカラー)
ライバルに対抗するためパワー特性を変更。燃焼室形状やマフラーの内部構造を見直して、低中回転域で一層力強くなった。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR バージョンR」(1995年)

当時税別価格:60万9000円
ビキニカウル付きのレーシーなバージョンRを追加。電子制御点火装置のPGM-IGを採用、吸気系を見直し、マフラーもアルミサイレンサー別体の新作に。フレームも補強された。
実測200km/hオーバー! バージョンRの実力はホンモノだった

スポーツ性能を本気で磨いたバージョンRは、デビュー時から走りのポテンシャルの高さが自慢だった。スペックこそ53PSだが、本当はもっと出ているんじゃないか、なんて噂になるほどパワフルだったため、その実力を図るべく、月刊『オートバイ』は富士スピードウェイで最高速計測に挑戦。
さすがに速度リミッターは解除したが、最高速はなんと光電管による実測で204.66km/h。どノーマルの400とは思えない数字に、スタッフ一同驚愕したものだ。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR バージョンS」(1996年)

当時税別価格:59万9000円
バージョンRに代わるスポーツグレードとして、バージョンSが登場。エンジンや車体、専用の吸排気系などは踏襲、新たにFブレーキキャリパーが4ポットとなった。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR バージョンS」(1997年)

当時税別価格:59万9000円
1996年11月にテールカウル、シートを変更してマイナーチェンジ。バージョンSのFキャリパーはブレンボ製となった。1997年には特別仕様も登場。
ホンダ「CB400 SUPER FOUR バージョンS 50thアニバーサリースペシャル」(1998年)

当時税別価格:59万9000円
ホンダ50周年記念車。往年のF1マシン・RA272を彷彿させるクラシカルホワイトとレッドの専用カラーを採用。リアサスにはレッドのスプリングを装備し、キーも専用品だった。
まとめ:オートバイ編集部