文:山口銀次郎、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行
スズキ「Vストローム1050XT」各部装備・ディテール解説
スタイリング
XTは機能面でも、スタンダードモデルには搭載されていない6軸IMUを活かし、モーショントラックブレーキをはじめ、ヒルホールドコントロール、クルーズコントロールなどのライディングを支援する機能も充実。灯火類のフルLED化、調整式シート、充電用USBポート、カラー液晶メーター、センタースタンドなどXTにのみ備わる装備も多い。
エンジン
車名は1050になっているが、水冷Vツインエンジンの排気量自体は先代1000から変わらない1036ccのまま。SV1000をルーツに発展してきたエンジンの基本的なメカニズムは受け継ぎながら、スロットルバイワイヤの採用、スロットル径の拡大などの細かな改良によって先代1000から約7PSパワーアップ。アンダーカバーはXT専用だ。
マフラー・リアブレーキ
リアブレーキは片押しシングルピストンキャリパーにΦ260mmローターを組み合わせる。サイレンサーは縦長断面の大容量なものを装備する。
フロント 足まわり
オフロード風味を感じさせるワイヤースポークホイールを装着するXT。しかし倒立フロントフォーク、トキコ製のブレーキキャリパーなどのサスペンション自体は基本的にスタンダードと共通。
リア 足まわり
ワイヤースポークホイールが特徴のXTだが、前後のホイール径自体はキャストホイールのスタンダードと同じフロント19インチ・リア17インチのままで、タイヤも同じものを履いている。リアサスペンションはKYB製のリンク式モノショックで、ノブ式プリロードアジャスターと伸側の減衰力調整を備える。
ヘッドライト・スクリーン
風洞実験を経て開発された、50mmの範囲で11段階に高さを調整して防風効果をコントロールできる可変ウィンドスクリーンを装備。フロントマスクは先代1000から受け継がれた、クチバシ状のノーズが特徴の、往年のパリダカマシンのイメージを受け継ぐもの。角型のLEDヘッドライトはKATANAのヘッドライトと共通のパーツだ。
メーター
コンパクトな液晶パネルに表示される多機能メーター。優れた視認性に加え、多彩な情報の表示や、電子制御デバイスの設定などにも対応。普通のモノクロ液晶を使用するスタンダード版とメーターそのものの基本的なレイアウトは共通だが、XTは黒バックの反転液晶を採用していて印象が大きく異なる。
燃料タンク
燃料タンクはXT・スタンダードで違いはなく、容量は20Lという余裕のあるものだ。サイズは大きいがホールド性を犠牲にせず、自然なライディングポジションが取れる。
シート
ライダー側、タンデム側を分離したセパレート構造のシートで、表皮にはグリップ力が高い素材を使用している。長距離ツーリングなどでの安定性を高めながら、疲労も軽減する快適な乗り心地を実現。タンデムグリップ一体のコンパクトなキャリアは、トップケースの装着ペースにもなる。
テールランプ・ウインカー
テールランプは高輝度のLED。XTではウインカーまで含め灯火類はLEDに統一されているが、スタンダードモデルではウインカーのみ一般的なバルブを使用している。
スズキ「Vストローム1050XT」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2265×940×1465mm |
ホイールベース | 1555mm |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 850mm |
車両重量 | 247kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 |
総排気量 | 1036cc |
ボア×ストローク | 100.0×66.0mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 78kW(106PS)/8500rpm |
最大トルク | 99N・m(10.1kgf・m)/6000rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 25°30′ |
トレール量 | 109mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/80R19M/C 59V・150/70R17M/C 69V |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 151万8000万円(消費税10%込) |
文:山口銀次郎、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行