BMW「M1000RR」2023年モデルの特徴
最新の空力テクノロジーを採用、大きなダウンフォースと低抵抗を両立して進化
2015年にデビュー、最新のテクノロジーによる高性能で人気を集め、レースなどでも活躍してきたスーパースポーツである「S1000RR」をベースに2021年に登場した「M1000RR」。BMWの四輪高性能モデルに与えられる「M」の称号を二輪で初めて冠するのに相応しい高性能を追求。
バルブタイミングとリフト量を可変させる機構であるシフトカムも採用し、212PSを発揮する999cc水冷直4エンジンや、最新の電子制御デバイス群、空力特性を向上させるウイングレットも備え、カーボンホイールも標準で装備。まさにロードゴーイングレーサー的モデルとして注目された。
今回登場した2023年モデルでは、優れたパフォーマンスの基礎となるフレームやサスペンションなどは従来モデルから受け継がれている。その改良点は、近年レースなどでも注目され、急激に進歩している空力に関する面が中心となっている。
市販車離れした独特なスタイリングを特徴付けている大型のウイングレットやカーボン製カウルの形状などは、最新の空力技術を取り入れて大きく見直しを受けた。
その結果、旋回中のダウンフォース量を増やしながらも抵抗を小さくすることが可能になり、最高速が306km/hから314km/hにまで向上したという。
フロントフェンダーと一体化したレーサーのようなカーボン製のカバー。フォーク前面からブレーキキャリパーへ伸びているのはキャリパー冷却ダクトで、超高速からのブレーキングという過酷な条件でも熱の影響を受けることなく、安定した制動力を発揮できるように配慮されている。
下側に見えるのは、上級モデルのMコンペティションパッケージにのみ装着されるMエアロホイールカバー。その整流効果は250km/hを超える速度域での空気抵抗を低減する。
BMW「M1000RR」2023年モデルのバリエーション
スタンダードな「M1000RR」に加えて、前述した上級モデルのMコンペティションパッケージも、新しいデザインのカウルをまとった2023年モデルになっている。
この新しいMコンペティションパッケージにのみ、スタンダード用よりも220g軽量になったスイングアームを新たに装着。
新しくなったカーボン製のカウルも、スタンダードでは樹脂パーツを使用していた部分までMコンペティションパッケージではカーボン化された。さらにステップやレバー類も高品質なパーツが標準で装着されている。
ボディカラーは、スタンダードの「M1000RR」がライトホワイト / Mモータースポーツ。
Mコンペティションパッケージは、ブラックストームメタリック / Mモータースポーツとなっている。
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BMW「M1000RR」2023年モデルの主なスペック
全長×全幅×全高 | 2090×812×NAmm |
ホイールベース | 1450mm |
シート高 | 840mm |
ステアリングヘッド角度 | 66.4° |
トレール | 99.8mm |
車両重量 | 192kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 999cc |
ボア×ストローク | 80×49.7mm |
圧縮比 | 13.5 |
最高出力 | 212PS/14500rpm |
最大トルク | 113Nm/11000rpm |
変速機形式 | 6速リターン |
燃料タンク容量 | 16.5L |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・200/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | φ320mmダブルディスク・φ220mmディスク |
まとめ:小松信夫