定番スペックの中にオーダーをバランスさせる

セパレートハンドル仕様で低くスマートに構えた外観を作り、火の玉パターンをグリーン×ブラックで表現したZ1。ブルドックのコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)だ。そこでやはり気になるのは内部を含めた各部の仕様。ブルドック・和久井さんに聞いてみよう。

「GT-Mで定番のピスタルレーシング製鍛造ピストンによって排気量は1135cc、カムシャフトはヨシムラST-L1。シリンダーヘッドのバイパスラインも加えています。オイルポンプは今、空冷Zでは必須項目としてコンプリート全車に使っているマッコイが入っています。純正に同じギヤ式でもちろん新品。対策済みですからこの先の安心感も大幅に高まります。ミッションも当社オリジナルのクロスで、この車両はツーリングスペックということで5速を選択しています。このあたりもいつも通りです」

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車体まわりも17インチホイール仕様として最適化してあるし、タイヤサイズによっての車高など細かいセットアップもGT-Mとしては当然の内容が施される。今までの作例から考えても、この車両がツーリングでも普段使いでも楽しめそうなことが分かる。

しかし和久井さんはZという車両の現状を心配している。それは価格だ。人気の高まりにともなう希少感やベース車両の減少はここしばらく言われてきた。それでZ系もMk.Ⅱ系も車両価格がかなり上がってしまった。しかもその上に、別の要素が加わってきた。燃料費を初めとした各種コストの上昇。今(2022年中盤時点)かなりの勢いで進行している円安の影響。今後車両価格が下がる要素がなさそうなのだ。

和久井さんも車両製作に当たってはこの点を憂慮していて、車両価格が下がることを祈りたいと添えてくれる。もしZがほしくていつかGT-Mをオーダーしたい、と考えるなら早い方がいい。

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自然な位置設定がされるハンドルはセパレートを選択。クラッチの駆動は油圧化され、左右マスターシリンダーはブレンボRCSを使う。

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メーターはノーマルにヨシムラ・プログレスメーターを追加する。ステアリングステムは17インチ&φ43mmフォークに適したマッコイで肉抜きも精悍だ。

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シートは内部素材や表皮にも配慮して乗り心地も良くなり疲労も少なくした上で車両の操作性も高まるマッコイ・スプリームを使う。

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ステップはアルミビレットのマッコイ。エンジンにはアウトボード&オフセットスプロケットも備えているのが分かる。

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自社内作業でボーリングなど内燃機加工から精密組み立てまでを行うエンジン。ピスタルレーシング鍛造ピストンによる[903→]1135cc仕様としてシリンダーヘッドにはオイルバイパスラインを設け、カムシャフトはヨシムラの中空タイプ、ST-L1をセットする。ミッションはオリジナル5速クロスでオイルポンプも今や必須というマッコイ・ギヤ式とした。ラウンドオイルクーラーも追加される。

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キャブレターは扱いやすさを狙ってFCRとし、口径はφ35mmを選択。エンジン仕様や使い方で柔軟な選択とセッティングが行われる。

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フロントフォークはオーリンズRWU(φ[36→]43mm)でフロントブレーキはブレンボ・モノブロックのGP4-RSキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク。ホイールはアルミ鍛造のラヴォランテ・レジェンダで[STD:1.85-19/2.15-18→]3.50-17/6.00-17サイズを履く。

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リヤブレーキはブレンボP2 34キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク。排気系もフルチタンのWinMccoyだ。

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リヤショックはオーリンズ・レジェンドツインでスイングアームは7N01目の字断面ハンドメイドのマッコイ。リヤフェンダーはカーボン製を装着する。

取材協力:ブルドック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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