※本企画はHeritage&Legends 2021年5月号に掲載された記事を再編集したものです。
今のアイデアと解釈で定番パーツもより高質に
バックステップにスチールマフラー、同じくスチール製の角型スイングアーム……。その外観は昭和風Zカスタムの鉄板でもあるけれど、ケイファクトリーが作るそれらには、最新の技術が投下されている。中でもΦ42.7mm極太エキパイ+Φ70mmテールパイプを組み合わせる、CSRフルエキゾーストマフラーは注目だ。
「そもそも手曲げマフラーはその名の通り、機械で曲げられないものを手で曲げていたという経緯なんです。排気ポートから排圧をかけずスムーズに排気を出すために、エキパイはできるだけ大きなRを描きたいところ。でも、往時を知る人ならご存じの通り、’70〜’80年代の機械曲げではカクカクッと角張った曲げのエキパイしか作れなかった。それゆえの手曲げ。
ウチでは’90年代中盤に普及した3Dベンダーを導入して開発を進めるうちに、今では機械曲げでも手曲げと遜色ない、緩く美しいRを描くエキパイが作れるようになったわけです。Z用CSRフルエキゾーストは、まさにそれ。手間が省けてコスト削減でき、よりロープライスでユーザーに届けられる。手曲げのようにバーナーで炙ることもないですから、素材が酸化して錆びやすい、スチール手曲げの弱点も克服しています」(桑原裕志代表)
少なくともZ用に関して、手曲げへの信奉は過去の遺物という訳だ。
そして、ケイファクトリーの合理的な考え方はライディングステップキットにも見ることができる。リヤマスターシリンダー取り付けプレートの角度を15度単位の可変式として、リヤマスターの位置をサイドカバーのフロント/リヤ側に調整可能(市場にはどちらかを選ぶ製品が多い)とした。ステップバーもジュラルミン/ゴム製が選べるし、気が変われば後に付け替えもできる。一度購入すれば、愛車のカスタムの進行度合いや好みに応じて、長く楽しみ続けられる工夫が各所になされている。
さらに書き加えれば、当時モノのパーツはZ用を謳っても装着に加工で苦労した……などというのはよく聞くハナシだったが、現代技術で精緻に開発・製造させるケイファクトリーの製品群ではもちろん、皆無。一見、往時と同じ素材で同じように作られて見えるパーツ群も、その実、大幅にアップデートされているのだ。
カッコ良さ、快適さ、雰囲気……。Zのカスタムにも様々なアプローチはあるけれど、あえて当時風でカスタムをまとめたい向きにも、安全性も担保された最新製品を、オトナの選択としてお勧めしておきたい。
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極太サウンドのショート管、リヤブレーキディスク車対応のバックステップをはじめ、こだわりの詰まったZ向けアイテムをラインナップ!
リヤディスクブレーキ対応ライディングステップキットはシリンダー位置可変式。ポジションは2パターンから選べる。価格帯はブレンボ製シリンダーの有無、ステップバーの仕様違いにより、6万6000円〜7万9200円だ。
フレーム加工やタンデムステップ部の加工なしで4.50ホイール/160/60-180ワイドタイヤ対応のスチール製スイングアームは10万7800円。Z1-R/Z1000.MkII/Z1000J/Z1に対応する。
ドレスアップ効果も抜群のチタニウムプレートフォルダーは8250円だ。
機械曲げで仕上げられたエキパイが美しいRを描く、CSRフルエキゾーストは9万1300円。スチール管ならではの図太い排気音は、ジェントルに調教された中にも’70年代のレース管を彷彿させるものだ。音量99dB対応のΦ23mmバッフルを装着。レース専用品。