文:太田安治、小松信夫、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
スズキ新型「アドレス125」インプレ(太田安治)
125ccとは思えないジェントルな乗り心地
「アドレス」はスズキの小型スクーターを代表するブランド。1991年に登場した2ストエンジンのV100、2005年デビューのV125はシャープな動力性能とハンドリングで「通勤加速」と呼ばれて大ヒット、2017年登場のアドレス125はフロントタイヤを12インチに大径化し、加速特性も変更して快適性を高め、支持層を拡大した。
今回登場の新型アドレス125は、外装デザインを柔らかな曲面のレトロ感あるものに一新したグローバルモデルだ。
通勤快速時代のアドレスは高めのエンジン回転を使ってピュン! と鋭く飛び出すように発進したが、新型はクラッチミート回転数が低めで穏やかに動き出し、一定の力で後ろから押される続けるフィーリング。体感的なダッシュ力は薄れたものの、40km/hまでの加速が力強く、都市部の交通の流れを楽々とリードできる。減速時も遠心クラッチが20km/h弱まで繋がっているのでエンジンブレーキが有効に使え、加減速の多い市街地走行でもストレスがない。
アイドリング中に気になる振動は走り出せばスッと消え、吸排気音の静かさと併せて、60km/h程度のクルージングだと、本当に小型スクーターか? と驚くほど快適。70km/hを越えると加速の勢いは弱まるが、交通の流れは余裕でリードできるから、法定速度内のみでの使用のストリートコミューターとしては充分な動力性能だ。
この快適さを支えているのがフレーム剛性とサスペンション設定のバランス。高剛性フレームに硬めのサスペンションを組み合わせればダイレクトでスポーティーなハンドリングになるが、それと引き換えに路面状態に影響されやすくなり、軽快さ、乗り心地も犠牲になる。
だが、新型アドレスの車体は荒っぽいライディングでも剛性不足を感じさせず、ギャップ通過時の収束性もいい。加えてリアサスもややソフトな設定で、しっとり優しい乗り心地。正直言って、通勤快速時代のアドレスとは別物で、スズキがコンセプトに掲げているように、「通勤快適」のスタンダードスクーターとして生まれ変わっている。
不満点はシート下のトランクスペースにフルフェイスやシールド付きオープンフェイスヘルメットが収まらないこと。しかし、そんな不満を吹き飛ばすのが27万円ちょっとに抑えられた価格。ルックスともども、普段使いに合ったキャラクターだ。
スズキ新型「アドレス125」カラーバリエーション
新型「アドレス125」のボディカラーは「ダークグリーニッシュブルーメタリック」「マットボルドーレッドメタリック」「パールミラージュホワイト」「マットブラックメタリックNo.2」の全4色。
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