2気筒エンジンがスタンダードとなっていた250ccクラスに、まさかの4気筒エンジンを投入したカワサキ。発売から3年目に突入しても、いまだその存在はオンリーワン! 250cc唯一のジェットサウンドが味わえる。
文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、森 浩輔

カワサキ「Ninja ZX-25R」の特徴

画像: Kawasaki Ninja ZX-25R/SE 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:785mm 車両重量:184kg/185kg(SE) 税込価格:84万7000円 / 93万5000円(SE・SE KRT EDITION) ※写真はNinja ZX-25R SE KRT EDITION

Kawasaki Ninja ZX-25R/SE

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:785mm
車両重量:184kg/185kg(SE)
税込価格:84万7000円 / 93万5000円(SE・SE KRT EDITION)

※写真はNinja ZX-25R SE KRT EDITION

4気筒でしか味わえない官能的フィーリング!

「昔は4気筒の250ccモデルがたくさんあったんだよ。でも今はねぇ…250って2気筒でしょ?」という、オヤジたちの話を聞き飽きた頃、ついにカワサキがやってくれた! それがみんな待ってた4気筒スーパースポーツ・ZX-25Rだ。

250cc4気筒全盛の1990年代のユニットとはちょっと違う、現代の4気筒エンジン。もちろん、現代の技術を駆使した、まったくの新設計だから流用部品もないし、あの頃とは違って厳しい排出ガス規制もあるから、開発コストという面では不利に決まっている。

それに、4気筒より低中回転域でトルクのある、乗りやすいエンジンだって、2気筒で実現できる。

それでも、4気筒らしい胸のすくようなスムーズなフィーリングを、甲高いサウンドとともに盛り上がるパワーを味わいたい。カワサキはライダーのそんな気持ちに応えてくれたのだ。

画像: カワサキ「Ninja ZX-25R」の特徴

エンジンはビッグボア×ショートストロークで、さすがに低中回転域のトルクは2気筒勢に一歩譲るけれど、1万回転あたりを過ぎてからの高回転域では、快感ジェットサウンドを響かせて爽快なパワーを楽しめる。このジェットフィーリングこそ、4気筒エンジンでしか味わえないテイストだ。

4気筒エンジンならではの重量感のおかげか、2気筒のニンジャ250よりも15kgほど重い車体は安定感が増していて、前後タイヤの接地感も充分に高い。ハンドリングもスポーツ性一辺倒と思われがちだけれど、実は乗り心地もいいのが魅力。シート座面も広く、意外かもしれないがロングツーリングも快適にこなすのだ。

とはいえワインディングをそこそこのペースで流しているときは気持ちがよく、ついつい低いギアで回転を上げて走りたくなる。6000~8000回転だと250cc2気筒エンジンでは悲鳴が漏れ始める回転域だが、ZX-25Rはそこからさらに上の回転域でこそ真価を発揮するのだ。

最高に楽しいのは、やはりサーキット。ここでは1万5000回転以上の超高回転域を使って走るのが快感で、このゾクゾクする気持ちよさも、2気筒エンジン車では味わえないものだ。

2008年にニンジャ250Rを発売して250ccクラスを活性化してくれたカワサキは、4気筒でもマーケットに火をつけてくれたのだ!

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