文:オートバイ編集部/写真:鶴身 健

『トップガン』&『トップガン マーヴェリック』
4K Ultra HD+ブルーレイ セット (4枚組)税込1万780円
© 2022 Paramount Pictures. 発売:NBCユニバーサル・エンターテイメント
あの感動をもう一度! ブルーレイ絶賛発売中
1986年に公開され、トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げたの『トップガン』。アメリカ海軍の全面協力による、F-14トムキャットの実機を使用した空中戦シーンはいまも色褪せない。その続編として2022年5月に公開されたのが『トップガン マーヴェリック』。こちらも実機のF/A-18スーパーホーネットを使用した迫力のスカイアクションを堪能できる。現在はブルーレイ+DVDや4K UHDなどが販売中。写真は特製ボックス入りの2作セット。
劇中車両その1|カワサキ「GPZ900R」
“マーヴェリック”が愛したニンジャが36年の時を経て蘇る!
まずは1986年公開の映画『トップガン』で“マーヴェリック”が駆った愛機のGPZ900R。映画「トップガン マーヴェリック」では、36年という年月を経て久々に姿を見せたマシンだ。

Kawasaki GPZ900R
1986年
※車両の年式は映画公開時のものとしています。
数多くのライダーが憧れ当時世界最速だった名機
1986年に公開された『トップガン』で、主人公のマーヴェリックことピート・ミッチェル大尉が乗りこなしているのが「ニンジャ」の名で親しまれたカワサキのGPZ900R。滑走路でF-14と並走するシーンが大好評を博し、このシーンがきっかけでニンジャに憧れたライダーも多い。
当時はカワサキとの協力関係がなかったため、車体から「Kawasaki」ロゴが外され、タンクやサイドカバーには、マーヴェリックが所属していた部隊やトップガンのステッカーが貼られている。カラーリングは1985年のA2に近いものだが、グラフィックの配色は少し異なったものとなっている。
この車両は『トップガン マーヴェリック』のためにAKM(アメリカカワサキ)が提供した車両で、36年の年月を感じさせるモディファイも加えられている。

マーヴェリックが36年間所有し続けたという設定のため、外装には経年劣化を感じさせるエイジング処理も施されている。

AKMが提供した車両は1984年のA1ベースで、走行に支障がないようレストアされ、タイヤはピレリのスポーツデーモンを履く。

スクリーンの白い色褪せやカウルのツヤが落ちた風合い、ミラーやウインカーのこすり傷はいずれも見事なペイントによるもの。

マイル/キロ併記表示のスピードメーターは、当時の速度規制だった55マイルのところを赤くした仕様。走行距離は2万5488マイル。

補修や改装をイメージしたのか、1986年当時、映画で使用されたニンジャにはなかったサイドのリフレクターが追加されている。

長年の所有中には転倒もあったのか、マフラーとサイドカバーには傷が確認できる。こちらも巧妙なペイントによるダメージ処理だ。
「トップガン」の意味とは?

ベトナム戦争時、3.7対1にまで低下してしまった空対空戦闘のキルレシオ(撃墜比)を憂慮して、1969年にアメリカ海軍がミラマー海軍航空基地に設立したのがアメリカ海軍戦闘兵器学校(NWFS)、通称「トップガン」。
空中戦の操縦技術や戦術を精鋭パイロットにたたき込むこの学校の創設により、1970年にはキルレシオが12対1にまで向上した。現在はネバダ州ファロンにある海軍航空戦開発センターに組織統合され、当該プログラムは「N7」と呼ばれている。
ボディのデカールを細かくチェック


第114戦闘飛行隊「VF-114」はミラマー海軍航空基地所属。1993年までF-14を使用していた。マスコットの名は「アードバークス」。

牛がフンをしているイラストの「NO BULLSHIT」のステッカー。意味は「ウソはいらない」というところだろうか。

七面鳥(TURKEY)はスラングで「ノロマ」という意味合いで使われる。「NO TURKEY」のステッカーは「ノロマはいらない」の意味。

「VF-213」は空母キティホークやセオドア・ルーズベルトで2005年までF-14を使用していた第213戦闘飛行隊「ブラックライオンズ」のマーク。

「WIMPS」はスラングで「弱虫」という意味合い。このステッカーは「NO WIMPS」つまり「弱虫はいらない」ということになる。

なぜかここには「Kawasaki」バッジが残る。当時のハイウェイの速度規制、55mphをもじったステッカーは「速度制限無用」の意。

「VFA-1」は「トップガン」でマーヴェリックが所属した架空の部隊。「VF-51」はミラマー所属の部隊で、前作で撮影にも協力している。

今回追加された、アメリカ国防総省・南西部地域の登録車両を示すステッカー。IDカードの普及で実際には2013年に廃止されている。