カワサキ「Ninja ZX-4R」シリーズの特徴
400ccクラス唯一の新車で買える4気筒
ずっと噂されてきた、400cc・4気筒エンジンのスーパースポーツ、ZX-4Rが2023年2月1日、アメリカと欧州で発表された。その名の通り、カワサキ自慢のスーパースポーツ、ニンジャZXシリーズの一員で、2019年にデビューを果たし、250ccクラスに旋風を巻き起こしたZX-25Rの直接の兄弟モデルとなる。
カワサキが400ccクラスに4気筒スーパースポーツを投入するのは、1999年に最終型が登場したZXR400以来、実に24年ぶりのこと。ちょうど国内では400ccスポーツクラスを代表するモデルだった、ホンダのCB400スーパーフォアが生産を中止したばかりで、このZX-4Rが400ccクラスでは唯一の、新車で買える4気筒モデルとなる。今年秋の導入を目指して調整中とのこと。発売開始が待ち遠しい、期待の新星だ。
ZX-25Rとほぼ同じコンパクトな車体
そのスタイリングをひと目見ればすぐに分かるが、ニンジャZX-4Rは、同じく4気筒エンジンを搭載するスーパースポーツ、ニンジャZX−25Rをベースとしている。ニンジャらしい精悍なフロントマスクから、シャープに絞り込まれたテールカウルに至るまで、外装パーツの形状は25Rとほぼ同じ。マフラーがオーソドックスなものとなり、多角形型のサイレンサーが装備されているのが、外観上の大きな識別点だ。
ボディサイズはほぼZX-25Rと同じで、ZX-4Rの方が全長で10mm長く、全幅が15mm広く、シート高が15mm高いぐらい。ホイールベースは1380mmでまったく同じ。つまり、このZX-4Rは250ccクラスのボディに400ccのエンジンを載せたホットなモデルということになる。250ccクラス並みのコンパクトさで、取り回しもラクにこなせそうだ。
ミドルクラスのパワーに250並みの車体サイズ
スペックを聞いて驚いた人も多いと思う。ZX-4Rのパワーは77PS。ラムエア過給が加わると、実に80PSを発揮するというのだ。
1980年代から1990年代にかけて、ハイパワーを誇る400ccのレプリカたちが大人気を博したが、その時の最高出力は59PS。その後、2006年に登場したスズキのGSR400が61PSのパワーを誇ったが、今回のZX-4Rは、ハッキリ言ってその比ではないほどの高出力なのだ。
ちなみに、ZX-4Rの車重はスタンダードで188kg。これはミドルクラスのスーパースポーツであるヤマハのYZF-R7と同じだが、YZF-R7の最高出力は73PS…。一概に数値だけで走りのキャラクターを判断できるわけではないのだが、ZX-4Rのモンスターぶりがうかがえる一面である。
最新鋭のモデルらしく装備面も非常に充実
最新のスーパースポーツらしく、ZX-4Rの装備は非常に充実している。電子制御によるライディングエイドもしっかり備わっていて、パワー切り換え(ハイ/ロー)、トラクションコントロール(3段階+オフ)と、それを組み合わせた4種類のライディングモード(スポーツ、ロード、レイン、ライダー)が標準で用意されている。スロットルはもちろん電子制御だ。また、専用アプリを使えばスマートフォンとのリンクも可能で、セッティングデータの閲覧/変更や、GPSを使った走行ログを見ることもできる。
このほか、スポーツランには必須のクイックシフター(STDのみオプション)やZX-25Rと同様の純正アクセサリーなども豊富に用意されている。現段階ではSTDのボディカラーがメタリックスパークブラックのみ、SEとRRはKRTカラーとなっている。