Z40周年記念限定カラーのライムグリーンも生かす
どんなコンセプトを立ててどのような手順で進めていくか……。カスタムには重要な要素だ。合わせて、どんなベース車両を選ぶのかという要素が大事になるケースもある。オーナー三浦さんのこのZRX1200DAEGは、そのベース選びにもポイントがあった1台だ。三浦さんはハーフカウル車、そしてカワサキ車に乗りたかったという考えを持っていた。そこからDAEGが選ばれた。
手に入れた車体はきれいなメタリックライムグリーン(名称はゴールデンブレイズドグリーン)が施されたもので、2013年の「Z生誕40周年記念 カワサキ正規取扱店特別仕様車」という300台限定モデル。この年がZ1登場40周年だったことからその流れにあるネイキッドのDAEGを選択、さらに“スーパーバイクレプリカ”Z1000R2(1983年)の登場30周年でそのラインパターンを投影したものでもあった。
そのライムグリーンの車体色を生かすこと。そして「ゴールドDAEG」にすること。これがコンセプトの大筋として立った。見ての通り、主要なパーツをゴールドで揃えていくことになるのだが、幸いにしてDAEG用には多くのゴールドカラーのパーツがあった。もうひとつ、ベースとなった限定車には前後ホイールやフロントブレーキキャリパーといったゴールドパーツが純正で備わっていた。加えるなら、純正装着されたオーリンズリヤショックの圧側減衰調整ダイヤルも限定車だけのゴールド仕様(市販されないもの)。
だからこの車体とのゴールドカラーのアフターパーツとのマッチングは問題ない。ホイールはマルケジーニ、キャリパーは同じブレンボながらアフターマーケット製品にし、ステップはベビーフェイス、さらにドライブチェーンもゴールドと選んで換えていく。フロントフォークもオーリンズ、ハンドルバーエンドやスイングアームのチェーンアジャスターもゴールド化した。メーカーで異なるアルマイトカラーの色味を揃えるなどの配慮が必要になるがそこもクリアした。
ハーフカウル車という要望は、DAEGのビキニカウルをフレームマウント化することで近しい状態を作り込む。メーターカバーやラジエーターシュラウドをカーボン化してアクセントとし、サイドスタンドのフック(足をかける箇所)も操作しやすく邪魔にならないようにと加工するなど、ルックスも使い勝手も考えてこの状態へと進んだ。
フルペイントされた他の車両を見ると自分も……と思うこともありますという三浦さんだが、大事にといじらなかった純正ライムグリーンは、ゴールドで揃えた車体側としっかりと対比できている。冒頭に挙げたような選択やコンセプト立案は、このような綺麗な仕上がりを生み出す。そんな例だと言える。
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Detailed Description 詳細説明
外装は2013年のDAEG限定車の純正カラーを尊重しつつ、Dr.SUDAマウントによってフロントカウルをフレームマウント化。ヘッドライトはKOITO製をマウントする。
メーターにはマジカルレーシング製カーボンカバーを加え、奥に置かれるのは外気温等のモニタ。写真のようにデータが点灯表示される。Z生誕40周年記念のエンブレムも見える。
フレームマウント化でカウル位置が前進しているのが分かるが、これも狙いのひとつ。ハンドルバーはカーボンでブレースはゴールドカラーの製品を組み合わせる。左右マスターシリンダーはブレンボRCSで、各部ボルトもゴールドでまとめる。燃料タンクキャップはTWM製レーシングフューエルキャップだ。
エンジンはDAEGノーマルでケイファクトリー・ラジエーターコアガードやアクティブサブフレーム、またカワサキ純正エンジンガードを追加した。FIは純正を3Dエアフィルター仕様とした上でJAMでセッティング。ZX-14Rのサイドパネルのような形状のラジエーターシュラウドはプレジャーのDAEG用製品だ。冷却系ホースもライムグリーンに換装される。ステップはベビーフェイス製で当然ながらゴールドをチョイス。
フロントフォークはオーリンズRWUでケイファクトリー製フロントフォークガード(Mサイズ/チタン)を追加。フロントブレーキはブレンボ40mm Axial CNC P4キャリパーとクレバーウルフ製サポートのゴールドの組み合わせをウエーブ形状の純正ディスクにセットしている。
リヤショックもオーリンズで、ここで装着されるのは圧側減衰調整ダイヤルがゴールドの、特別仕様車純正品。スイングアームはオーヴァーレーシングで、ホイールはマルケジーニ・アルミ鍛造のM7RS(3.50-17/6.00-17サイズ)。ドライブチェーンもEKのThreeDゴールドに換わる。リヤブレーキはリヤがブレンボCNC P2 32キャリパー+純正ディスクとしている。マフラーははレオビンチ製だ。