上質ツーリング仕様という作りの軽快感も参考になる
「お客様の要望で、ご自身が所有しておられるカウンタックと同じ色にしたいということでこのカラーを選択しています。ランボルギーニ社から資料を取り寄せて色合わせしました。カウンタックもホイールのカラーがゴールドで、たまたまですけど当社のラヴォランテ・スフィダーレの色味が合いました」
ブルドック・和久井さんがこう教えてくれるZ750FX。きれいなブルー系のボディにブラックのハードパーツ、そして前後のラヴォランテ・スフィダーレホイールやウインマッコイ・エキゾーストのゴールドが絶妙に映えている。
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カウンタック(Countach)はランボルギーニ製スーパーカーで、Zの登場と相前後する’71年に最初のプロトタイプ(LP500プロトティーポ)が発表された。V型12気筒エンジンや低く未来的な独特のボディ形状、大胆な5穴デザインのホイールなどを持ち、’74年から’90年にかけて生産されたモデル(LP400系)が頭に浮かぶ向きも多いだろう。
’21年にはその登場50周年を記念して「カウンタックLPI800-4」というモデルが世界限定112台で生産された。その日本上陸1号車と同じカラー(シアンウラヌス)が施されたというわけだ。
ハード面も鍛造ピストンによる1200cc仕様のエンジンやブルドック6速クロスミッション、ST-1カムにオイルバイパスほか、フルメニューのエンジン。もちろん車体側も17インチホイール化に適合するフレームから足まわりまでフルメニューの作り込みだ。
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注目したいのはハンドルで、セパレートにしながらバーをトップブリッジより上に置いて、機能美とシャープ感を演出しつつ普通に使えるようにされている点。扱いやすい上にクセがなく、軽さも際立っていると、Z900RSなども所有するオーナーが感じたという。
いわば同時代に憧れの的となったFXとカウンタック。その両車が現代化された上で融合したような印象で作られたGT-M。これからの見本としたいトップグレードと言えるまとまりも得ていたのだ。
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前後17インチホイール化に合わせて最適化したマッコイステムの上に、ハイパープロ・ステアリングダンパーをコンパクトに配置。メーターは純正ベースでヨシムラ・プログレスメーターを追加した。ハンドルはセパレートだが、バーがトップブリッジ上になるようセッティングして扱いやすいポジションを得ている。
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左右マスターシリンダーはブレンボRCSでミラーはマジカルレーシング・NK-1ミラー・タイプ1ヘッド。燃料タンクはマッコイ・アルミを使う。
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FXの純正形状を踏襲しつつライダー側とタンデム側で表皮を変えたシートもマッコイ・スプリームで快適性と操作感を向上している。
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ボディはカウンタックLPI800-4の日本上陸1号車と同じシアンウラヌスをベースカラーとし、Z750FX純正パターンのストライプを追加しているのだ。
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エンジンはピスタルレーシング製鍛造ピストンで1200cc化して、ST-1カム組み込みやオイルバイパス追加なども行ったフルメニュー仕様。ミッションはマッコイ6速クロスで、アウトボード&オフセットスプロケットも備えている。フレームにも17インチホイール化に合わせた最適化が図られている。
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キャブレターはヨシムラTMR-MJNφ38mmのヨシムラDSF=デュアルスタックファンネル仕様。トップカバーとヘッドカバーは赤の結晶塗装を施してある。
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フロントフォークはφ43mmのナイトロン(ラジアルマウント一体型)。フロントブレーキはブレンボGP4 RX CNC P4 32ニッケルコートで、ディスクはマッコイ×サンスターコラボφ320。ホイールのゴールドもカウンタックLPI800-4のゴールドに近い印象となった。
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リヤブレーキはブレンボCNC P2 34キャリパー+マッコイ×サンスターディスク。スイングアームは7N01目の字断面材によるMccoyだ。
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リヤショックはマッコイ・ナイトロンのブラック。ホイールは超軽量で高剛性のラヴォランテ・スフィダーレで1.85-19/2.15-18→3.50-17/6.00-17サイズを履く。
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排気系はフルチタンのWin Mccoy NEOフルエキゾーストで、サイレンサーにはWin Mccoy NEOショートのゴールドを組み合わせた。