文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、柴田直行
スズキ「GSX-8S」vs ヤマハ「MT-07」比較インプレ(宮崎敬一郎)

SUZUKI GSX-8S
総排気量:775cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:810mm
車両重量:202kg
税込価格:106万7000円

YAMAHA MT-07
総排気量:688cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:805mm
車両重量:184kg
税込価格:83万6000円
※撮影車両は2021年モデル
ビギナーにも薦められる扱いやすさと楽しさ!
このミドルスタンダードスポーツのベストセラーとして君臨してきたのはMT-07。その魅力は今でも衰えていない。身軽でコンパクトな車体は扱いやすく、その手応えはまるで400ccクラス。取り回しも楽で、どんな使い方にも応えるが、一方で強烈な瞬発力を実現する力強いダッシュなど、パワースペック以上に思える強力な動力性能も魅力。峠道でのスポーティなライディングにも適応力が高く、快活な走りが楽しめる。

そんなMT-07の牙城に斬り込んだのが、新登場のGSX-8Sだ。これまでスズキにはSV650というVツインモデルがあったが、この8Sはそれよりもひと回りコンパクトな印象。デザインも流麗で、目新しさという点ではMTより新鮮。車格や手応えはMTより大きく、微妙に重い。その分、ストリートユースなど低速域ではフットワークもいくらかまったりとした印象で、落ち着きがある。

やはり魅力は素直なハンドリングとエンジンによる使い勝手の良さ。これを活かして、どんな走りにでも適応するオールマイティなキャラクターだ。MTより20万円ほど高価なバイクなので直接比較は出来ないが、パワーモードやトラコン、ABSなどを切り替えられるのは大きなアドバンテージ。パワーも10馬力近く強力なので、回した時の力量差もはっきり出る。
しかし、低中域の応答はむしろ8Sのほうが穏やかで、街中などで使用する常用回転域では紳士的な応答をする。これはパワーモードをスポーティな「A」にしていても無理なく使えるほどだ。
MT、8Sともに丁寧に調教されており、その扱いやすさはビギナーにも薦められるレベル。両車をざっくり色付けすると、ストリートでキビキビと走り回るのが得意なMTに対し、速度設定が少し高めのところで快適、強力なのが8Sだ。
スズキ「GSX-8S」vs ヤマハ「MT-07」カラーバリエーション一覧
スズキ「GSX-8S」
パールコズミックブルー(QU1)
パールテックホワイト(QU2)
グラススパークルブラック/マットブラックメタリックNo.2(KGL)

パステルダークグレー(グレー)

ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)

マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)