RZシリーズで2ストを最前線に復活させたヤマハが次に送り込んだのは、市販レーサー・TZの技術をそのまま投映したかのような高性能レプリカだった。その名もTZR。10年以上の長きにわたって高性能を誇った、2ストスーパースポーツの出発点がここにある。
文:オートバイ編集部/写真:松川 忍
文:オートバイ編集部/写真:松川 忍
ヤマハ「TZR250」特徴
「ハンドリングのヤマハ」と評判を高めた名機!
RZ250の大ヒットで絶滅寸前の2ストスポーツを救ったヤマハだったが「打倒RZ」を掲げるライバルメーカーの包囲網に遭い、1983年のRG250Γの登場でその差は決定的になる。そこで、レプリカブームの波に乗る形で登場したのがTZR250だ。
YZR500の開発チームが手がけた市販レーサー、TZ250と同時開発。フレームにはヤマハの市販車初となるアルミデルタボックスが与えられ、エンジンもYZRの流れを汲む、ハイパワーなクランクケースリードバルブだったが、ホイールサイズは前後17インチとされ、アンチノーズダイブフォークもなし。当時の流行を追わない構成だったが、軽量・コンパクトな車体でハンドリングが非常に素直だったこともあって、ライダーたちからは「さすがハンドリングのヤマハ」と絶賛されたのであった。