ホンダ「VFR750R」(RC30)各部装備・ディテール解説

RC30はタンデムシートのない完全なシングルシーター。開発当初は2人乗りを打診されたが、開発陣のこだわりで1人乗りとした。

カウル類はFRP製で、燃料タンクはアルミ製。

サイドカウルとアンダーカウルの接合部にはクイックファスナーを使用。

撮影車はウインカーが変更されているが、本来はテールカウル内に収まる、四角い小型のウインカーを装着していた。

ボディカラーはトリコロールの1色のみ。写真の車両は欧州仕様車で、国内仕様と違ってヘッドライトが大きいのが特徴。

欧州仕様のヘッドライトはΦ130mmを2個使用。国内仕様はそれより少し小ぶりなΦ100mmのライトを2個使用している。

アルミタンクの容量は18リットル。レーサーに倣って、右前方には気化したガソリンを大気解放するブリーザーパイプを設置。

アルミツインスパーフレームのメインビームは、RVFと同様の変形目の字断面構造で、アルミ引き抜き材を使用。クランク位置など、ディメンションはほぼRVFと同一。

VFR750Fと同様にカムギアトレイン機構を採用するが、カムシャフト側のギアを小さくしてコンパクトなヘッドを実現。クランク角は360度とされた。

タイヤ交換を容易にし、耐久レースで優位に立つためにプロアームを採用したが、それに合わせてマフラーは左出しを選択している。

フロントフォークはショーワ製のΦ43mm正立。フロントアクスル下部には、市販車初のクイックリリース機構が標準装備されていた。

リアに採用する片持ち式スイングアーム・プロアームは、リアタイヤの素早い交換を可能にするアイテム。ホイール固定はセンターロック式。

タコメーターと水温計をスポンジマウント、スピードは別体としたレーシーなメーター。レッドゾーンは1万2500回転からとされた。
ホンダ「VFR750R」(RC30)主なスペック・当時価格
全長×全幅×全高 | 2045×700×1100mm |
ホイールベース | 1410mm |
最低地上高 | 130mm |
シート高 | 785mm |
車両重量 | 201kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒 |
総排気量 | 748cc |
ボア×ストローク | 70.0×48.6mm |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力 | 77PS/9500rpm |
最大トルク | 7.1kg-m/7000rpm |
燃料供給方式 | キャブレター(VDHO) |
燃料タンク容量 | 18L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24.50′ |
トレール量 | 91mm |
ブレーキ形式(前・後) | Φ310mmダブルディスク・Φ220mmシングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-17・170/60R18 |
当時価格 | 148万円(1987年) |
まとめ:オートバイ編集部