文:ノア セレン、横田和彦、オートバイ編集部・黒田/写真:南 孝幸
評価ライダー
「CT125・ハンターカブ」VS 「クロスカブ110」|試乗前の印象・スペック比較
長い歴史を持つカブは、登場時から大きくデザインを変えることなく、今なお世界中で愛され続けている。そして近年ではカブをベースにした派生モデルが続々と登場し、若者からも支持されている。横田とノアはカブの魅力をどのように分析しているのだろうか!?
ノア セレン CHECK
高級ワインよりも偉い? 究極の65年熟成!
カブはC100がスタートだとすると65年ほどの歴史があることになる。しかも累計販売台数は1億台を超えたそうだ。1億台だよ! 65年前に世界を席巻したコンセプトが色褪せることなく活きていて、実用として今も世界中で、そして同時に趣味バイクとしても広く愛され続けているなんて…世界一のサクセスストーリーじゃないか!
カブが人を魅了し続ける理由、それはこの歴史によるところも大きいと思う。「カブならホンダの代名詞だし、絶対的に大丈夫」という100%の安心感。それは乗り味だけではなく、壊れないことや燃費がいいこと、街のバイク屋さんでも直せること、維持コストがかからないことなど、実務的な部分がしっかりしてるということが大きいはず。今は趣味ユースも増えたけど、その根底にあるのは「カブだから大丈夫!」と言うそのイメージじゃないかな?
横田和彦 CHECK
人生で初めて欲しいと思ったハンターカブ
熱心なファンの方にはホントに申し訳ないんだけど、実はワタクシ今まで“カブ”というバイクを欲しいと思ったことがなかった。スポーツバイクが好きで二輪免許を取ったので、出前などに使われていたスーパーカブの仕事バイク感や、2スト50ccに比べると鈍かった4スト50ccの加速フィーリングなどは若き日の私にはまったく響かなかったのである。
しかし、その感性をひっくり返すマシンが2019年に登場。CT125・ハンターカブだ。タフなイメージに仕上げられたスタイルは素直にカッコイイと思えたし、乗ると想像以上に走ることを体感。カブ系のバイクって意外とイイよなぁと思い始めたのだ。この歳になって「偏った先入観はイカンなぁ」と猛省するキッカケになったのがハンターカブなのである。あれ、そういえばクロスカブが登場したときはそこまで感じなかったなぁ。対決するとその理由がわかるかも!?
エンジン比較
CT125・ハンターカブ
低中速域重視のエンジンはロンスト化でさらに熟成
もともとトレッキングやツーリングを想定して中低速域を重視した設定の125ccエンジンは、2022年に現行モデルへと変わった時に排ガス規制の関係もあり、よりロングストロークに変更。さらにスムーズで扱いやすく進化した。
クロスカブ110
信頼の「カブ直系」110はスムーズさが最大の魅力
8馬力を発生する110ccエンジンはスーパーカブ直系ユニットに専用の減速比を組み合わせたもの。2018年のモデルチェンジで交換式オイルフィルターを追加するなど整備性/耐久性を向上。2022年にはロングストローク化した。
主要スペック比較
SPEC | CT125・ハンターカブ | クロスカブ110 |
---|---|---|
税込価格 | 44万円 | 36万3000円/37万4000円(くまモン) |
全長×全幅×全高 | 1965×805×1085mm | 1935×795×1110mm |
軸間距離 | 1260mm | 1230mm |
最低地上高 | 165mm | 163mm |
シート高 | 800mm | 784mm |
車両重量 | 118kg | 107kg |
エンジン形式 | 空冷4ストOHC2バルブ単気筒 | ← |
排気量 | 123cc | 109cc |
最高出力 | 9.1PS/6250rpm | 8.0PS/7500rpm |
最大トルク | 1.1kgf・m/4750rpm | 0.90kgf・m/5500rpm |
燃料タンク容量 | 5.3L | 4.1L |
変速機形式 | 常時噛合式4段リターン※ | ← |
タイヤサイズ前・後 | 80/90-17M/C 44P・80/90-17M/C 50P | 80/90-17M/C 44P・80/90-17M/C 44P |
ブレーキ前・後 | ディスク(ABS)・ディスク | ディスク・ドラム |
※変速機形式:走行中はリターン式で停車時のみロータリー式になるチェンジ機構。
カラーバリエーション
CT125・ハンターカブ
クロスカブ110