ホンダ「EM1 e:」の開発者に、このモデルのポイントを伺った。個人でも購入可能で、毎日の実用にも使えるEVコミューターは、どんな点を重視して開発されたのかに注目だ。
文:オートバイ編集部/写真:森 浩輔、Honda
画像: Honda EM1 e: 2023年モデル 道路運送車両法上の原付一種に分類 定格出力:0.58kW 原動機種類:交流同期電動機 シート高:740mm 車両重量:92kg 発売日:2023年8月24日(木) 税込価格:29万9200円(車両・バッテリー・充電器を含むセット価格)

Honda EM1 e:
2023年モデル
道路運送車両法上の原付一種に分類

定格出力:0.58kW
原動機種類:交流同期電動機
シート高:740mm
車両重量:92kg

発売日:2023年8月24日(木)
税込価格:29万9200円(車両・バッテリー・充電器を含むセット価格)

ホンダ「EM1 e:」開発者インタビュー

画像: 内山 一さん(左) 本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 二輪・パワープロダクツ開発生産統括部 システム開発部 システムイノベーション課チーフエンジニア 後藤香織さん(右) 本田技研工業株式会社 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 電動開発部 二輪商品開発課アシスタントチーフエンジニア

内山 一さん(左)
本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 二輪・パワープロダクツ開発生産統括部
システム開発部 システムイノベーション課チーフエンジニア

後藤香織さん(右)
本田技研工業株式会社 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部
電動開発部 二輪商品開発課アシスタントチーフエンジニア

幅広い層が楽しめるフレンドリーな1台

厳しさを増していく排出ガス規制のあおりを受け、ガソリンエンジン車の存続が危ぶまれている原付一種。一方で、原付一種は通勤、通学といった「生活の足」として長い間、国内に定着もしており、公共交通機関が行き届いていない地方では欠かすことのできない重要な交通インフラとして認識されている。

そんな中で、ガソリンエンジン車に代わる新世代の「日常の足」として注目されるのが原付一種相当のEV。ついに個人向け販売の始まったEM1 e:のコンセプトや魅力、使い方などを、プロジェクトリーダーの後藤さんに聞いてみた。

画像1: ホンダ「EM1 e:」開発者インタビュー

「EM1 e:は、毎日の便利な足として、通勤・通学をメインとした使い方をイメージして開発しています。EVですからメンテナンスフリーですし、電動ならではの静かさと振動の少なさで、スムーズに、快適に走れますから、非常にフレンドリーだと思います。静かなので、お仕事などで早朝や深夜に乗るという方にも合っていると思いますし、帰りにちょっとお買い物や寄り道をして距離が伸びても充電の必要がないよう、航続距離にもちょっと余裕を持たせています。ぜひ毎日使っていただいて、EVの気持ち良さを体感していただけたら嬉しいです」

画像2: ホンダ「EM1 e:」開発者インタビュー

学生からベテランまで、幅広いユーザーが使う原付一種だけに、スロットル制御やパワーフィールなどの設定も大事になってくる。そのあたりの味付けや走りのフィーリングについて、プロジェクトリーダー代行の内山さんに教えていただいた。

「このEM1 e:では、特に発進時や10km/h以下の極低速域で、スロットル開度に応じた指令をきめ細やかな設定として、急発進とならないように制御しています。パワーフィールのイメージとしては、20~25km/hくらいまでスムーズに伸びていって、30km/hくらいで安定する感じです。
また、EM1 e:ではハンドリングにもこだわっていまして、最も多用される低速域での走りやすさを考え、軽やかなフットワークを大切にしています。実際に乗っていただくと、操る楽しさがしっかり備わっているのをご体感いただけると思います。ガソリンエンジンを搭載する通常のオートバイと違って、鼓動感やサウンドこそありませんが、EVにも走る楽しさがありますので、まずは乗っていただいて、楽しさを実感していただけたら嬉しいですね」

ホンダ「EM1 e:」主なスペック・生産国・価格

全長×全幅×全高1795×680×1080mm
ホイールベース1300mm
最低地上高135mm
シート高740mm
車両重量92kg
原動機形式・種類EF16M・交流同期電動機
定格出力0.58kW
最高出力1.7kW(2.3PS)/540rpm
最大トルク90N・m(9.2kgf・m)/25rpm
動力用バッテリーHonda Mobile Power Pack e: 1個
タイヤサイズ(前・後)90/90-12 44J・100/90-10 56J
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・ドラム
製造国中国
メーカー希望小売価格車両・バッテリー・充電器のセット:税込29万9200円
車両のみ:税込15万6200円
Honda Mobile Power Pack e:(バッテリー):税込8万8000円
Honda Power Pack Charger e:(充電器):税込5万5000円

文:オートバイ編集部/写真:森 浩輔、Honda

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