ホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE/FIREBLADE SP」2024年モデル・欧州仕様車の特徴
限定モデルの“カーボンエディション”もラインアップ!
コーナー出口での加速を向上させるためにより低いギア比とプライマリドライブを大幅に変更、低回転域での操作性向上とエンジンブレーキ増幅のため、ホンダ初となる2モーター式のスロットルバイワイヤーを採用、ライディング中のより自由なコントロール性を得るためにハンドルバーは19mm高く、23mm近く、フットペグは16mm低く設定された。
2024年モデルとなる新型CBR1000RR-R FIREBLADEの進化は、ユーザビリティの向上がテーマなのか?と思ってしまいそうだが、もちろんそれだけではない。エンジンは シリンダーヘッド、圧縮比、バルブタイミング、スプリングなどすべてが見直され、クランクシャフトとコンロッドは軽量化
。ギアボックス全体にわたって短いレシオが採用されるなど変更が加えられ、中速域の性能を大幅に向上させた上、トップエンドの出力にも磨きがかかっている。そんなモデルチェンジとなっている。
足まわりに関しても抜かりはなく、「SP」には第3世代オーリンズ「スマートエレクトロニック43mm S-EC3.0(SV)NPX USDフォーク」を量産バイクとしては世界初搭載。ブレーキを担うブレンボは高温でも高いブレーキ性能を維持する「スタイルマR4ピストンラジアルマウントブレーキキャリパー」を投入している。また、960g軽量化し、横方向の剛性17%減少、ねじり剛性15%減少したしなやかなフレームの採用とあいまって、完全なレースクオリティとも言えるパッケージが完成しているのだ。
そして「SP」のカラーリングはグランプリレッド(トリコロール)が基本となるが、300台限定の「カーボンエディション」もラインアップ。こちらは独自のマットパールモリオンブラック塗装がほどこされるほか、カーボンファイバー製フロントマッドガード、アンダーカウル、ミドルカウル、ウイングレット、フロントシェルター、マッドガードカバーを装備する。また、エアボックスカバーには記念のプレートが付いており、1kg軽量化されている。
4段階のレーススタート用「スタートモード」も搭載!
電子制御に目を向けると、ライダーがクラッチリリースだけに集中できるよう、「スタートモード」が搭載されているのも「SP」の特徴。これはスロットルを全開にしてもエンジン回転数を 6,000、7,000、8,000、9,000 rpm の設定値に制限するものとなっている。
また、「HRCライダーを含む世界中からのトップレベルのフィードバック」を反映して電子制御の面で大きく進化したのがホンダセレクタブルトルクコントロール (HSTC) 。2024年モデルの新しい出力特性やギア比の見直しに合わせて最適化も図られており、よりスムーズな走りが可能となっているようだ。
そして、軽量コンパクトなチタン製のアクラポビッチ製のマフラーは、以前のモデルよりも5dB静かになっているという。これは、騒音制限の厳しいサーキットを走行しているライダーや、ツーリングライダーにとっては地味に嬉しいポイントなのではないだろうか。
ホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE/FIREBLADE SP」の動画・写真
ホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」の主なスペック・燃費
※諸元は欧州仕様車
全長×全幅×全高 | 2105×750×1140mm |
ホイールベース | 1455mm |
最低地上高 | 130mm |
シート高 | 830mm |
車両重量 | 201kg(※カーボンエディション200kg) |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC並列4気筒 |
総排気量 | 1000cc |
ボア×ストローク | 81.0×48.5mm |
圧縮比 | 13.6 |
最高出力 | 160kW/14000rpm |
最大トルク | 113N・m/12000rpm |
燃料タンク容量 | 16.5L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24.7° |
トレール量 | 101.9mm |
ブレーキ形式(前・後) | Φ330mmダブルディスク・Φ220mmシングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17M/C58W・200/55ZR17M/C78W |
燃料消費率 WMTCモード値 | 14.9km/L 1名乗車時 |
まとめ:福田 稔