カスタムらしい作りの中に自然に惹かれる魅力を

純正グラフィックパターンのピンストライプをホワイトで入れることで、ともすると単調になりがちな単色ペイントを絶妙に昇華したZ1-R。ブルドックによるコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)の近作となる1台だ。

そのペイントを施したビキニカウルやサイドカバー〜シートカウル一体型シングルシート、アルミタンク、カーボンフロントフェンダーはいずれもマッコイブランドで、一体感も高まる。シートカウルの下に見えるシートレールはぐっと持ち上げられ、リヤショックもレイダウンマウントされる。それだけ大がかりな加工を受けているのに、リヤが大きく上がって見えてしまうような違和感はまったくない。

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この実に自然な形に見せるのは、まさにGT-Mの真骨頂。ブルドック・和久井さんがGT-M製作で常に意識しているという「凄いカスタムがしてあるのに、自然なたたずまい」は、こんなベース部分からも気遣われるということでもある。

エンジンの仕様も同様で、この車両では後期型Z=J系ヘッドへのコンバートを行った上でヘッドバイパスを追加し、ピスタルレーシング鍛造ピストンによって1200cc化。さらにマッコイ6速クロスミッション組み込みと、ぱっとスペックを聞けば凄い内容、でもGT-Mでは定番という、裏付けもある手堅い仕様がきっちりと施されている。

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フロントはオイルクーラーサイド、リヤはナンバーホルダーサイドという前後ウインカーの配置も、足下を締める軽量・強靱なラヴォランテ・スフィダーレホイールも、初めからそうなっていたかと思えるような自然さ。でも、分かる人にはそうか、この方法があったかや、こういう工夫は参考にしたいと思えるような内容でもある。

これらの仕様を改めて振り返ると、ブルドックのデモ車兼最新仕様でもある和久井さんのGT-M001・Z1-Rに近いことも窺える。いい見本があるからそれを採り入れるし、その001自体もその時々の最新を取り込んで進化しているから、それも反映される。その動きも、良質な車両作りには自然なことだと思えるのだ。

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マッコイ正立φ43mm用ステムキットは軽量ライトウェイトレーシングタイプトップブリッジ仕様を選択、ハイパープロCSCタイプステアリングダンパーもコンパクトに横置き装着する。マッコイ・ビキニカウル内にはオリジナルでカーボンメーターパネルを製作、そのセンターにULTRAエンジン回転計、その下にヨシムラ・プログレスメーターとアクティブ・デジタルモニター(速度ほかを表示)をレイアウトする。

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アルミタンクもマッコイ。カラーリングはベース色をライムグリーンとし、Z1-R純正のパターンを生かしてホワイトのピンストライプを配している。

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セパレートハンドルもマッコイ。フロントブレーキマスターシリンダーは鍛造ボディ・ラジアルポンプのゲイルスピードVRCを使う。

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油圧駆動化されたクラッチのマスターシリンダーもゲイルスピードVRC。カーボンボディのミラーはマジカルレーシングNK-1ミラーのタイプ1ヘッドをチョイス。

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サイドカバー一体式のシングルシートカウルはマッコイ・Z1Rシングルシート。ライダー側のシート本体はマッコイ・スプリームで、タンデムシート部はカーボン地を露出させている。

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エンジンはピスタルレーシング鍛造ピストンで1200cc仕様とし、ヘッドはZ1000J系にコンバートした上でオイルバイパスを追加。ミッションはマッコイ6速クロス、出力部にはマッコイ・オフセットスプロケットアウトボードキットを組む。内燃機加工はブルドックで、フレームも17インチ仕様にきっちり加工されているのだ。

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キャブレターはFCRφ35mmをブラック×ブラックのヨシムラ・デュアルスタックファンネル仕様で装着した。

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最近装着する人が増えたという軽量・高剛性のラヴォランテ・スフィダーレ鍛造ホイール(3.50-17/6.00-17サイズ)を履く足まわり。フロントフォークはオーリンズRWUでフロントブレーキはブレンボGP4-RXキャリパー+マッコイ×サンスターコラボディスク、フロントフェンダーはマッコイ・カーボン。

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リヤブレーキはブレンボGP2-SSキャリパー+マッコイ×サンスターディスク。極太の角型アルミスイングアームはマッコイ、チタン401(内部4-2-1)の排気系はWin MccoyフルエキゾーストでサイレンサーはWin Mccoyのソリッドを組み合わせた。

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リヤショックはオーリンズ・グランド・ツインでチェーンカバー一体型のカーボンリヤフェンダーはマッコイ。ドライブチェーンはRKの520XXWを使う。

取材協力:ブルドック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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